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風邪をひけば花屋が儲かる


「営業が苦手なら、お客様から買わせて欲しいって言わせれば良いんですよ~」

よろず相談屋の奥野ツバメが、黒の油性マジックを大げさに振りかざしながら笑顔でそう語る

きっかけ


家族経営の花屋、私の代で三代目となる、創業者の祖母は天性的にアレジメント能力が高く、務めていたホテルで結婚式をメインに担当していた時式場を花で飾るセンスが評判を呼び独立、以降口コミだけで仕事が増えて行きお祝い事から新規開業の華スタンド、店舗を持たない業務用の花屋として続いていた。 

従業員は雇わず家族だけて作業をする


母の代になり結婚式場ブライダルフラワーに集中する為、他の仕事を受けることを辞めた。というよりも、ブライダルの仕事が忙しく家族3人だけで対応する事で手一杯だった

そして私の番が回って来たけど、時代の変化なのか、大手企業のフランチャイズ形式(金額一律)のお花屋さんが増えてきたり結婚式が減ってきたり、お祝いのお花に変わりバルーンアートの需要が増えてきたりで敵が多い なんとか知り合いのツテで道の駅の一角で切り花を販売したりしている状態

なんとかしないといけない

知り合いに誘われ主婦マルシェというイベントに参加する。手作りアクセサリーやオリジナル小物をワークショップという形で販売している

1日出店料が3千円運営費として2千円合計5000円を支払い アレジメントフラワーの講習会を販売して見たところ、ちょこちょこと好反応が見えるも結果として利益が出ない

「こんにちは、お花屋さん儲かってます?」

黒のピチッとしたスーツに赤いスカーフをまいた黒髪オカッパの女の子が笑顔で話しかけて来た

彼女はマルシェの運営側に雇われたアドバイザーで本業はよろず相談屋を営んでいるらしい

事の流れを軽く説明したら、街はずれにある彼女の店(相談カフェ)に来るように勧められた

怪しげな店


相談カフェとは名ばかりで、古ボケた不動産屋を軽く手直ししたようなお店

「こんにちは〜😃みゆきさん。お待ちしておりましたぁ~」

奥野ツバメが缶コーヒー片手ににこやかに登場
古ボケたソファーに座るよう勧められ相談が始まる

「そもそも、みゆきさんわぁ〜何でお花屋さんなんですかぁ?」 

「子供の頃から家業として手伝いをしてて、お花が好きだったし、 他に取り柄がある理由でもなかったし、自然にというか、流れでこうなったかもしれないですね、」

「サービス業って何だと思います?」

「え?」

「みゆきさん、今やってる仕事ってサービス業でしょ、 製造業、営業、サービス業 ジャンル的に考えると、」

「でも、基本的にウチは業販というか、式場から依頼されて対応するから お客様に直接関わる事が少ないし、 サービス業と言えるかどうか?」

「まぁ、そんな難しく考えずに楽にして下さい😊」

ツバメが大きなカレンダーを持ち出してきて黒のマジックで何やら書き始める

「えっとお〜 答えは必ず自分の中にあってですねぇ〜 

悩みとは 理想と現実の整理整頓がされていないから発生すると私は思うのですわ」
ツバメがだんだんと口調が変わってきた(きっと好きなアニメとかのキャラがあるのだろうか?)

理想の月間売上(目標)を教えて下さいませ😊

「そうですね〜従業員3人が生活出来ればいいので、 ざっくりと120万くらいあれば」

理想の仕事時間は?

「え、 時間までは考えてなかったけど仕事が入らない時は休みで、 道の駅とかの販売は午前中だけで、ウエディングは状況に応じてだし〜」

「あくまで理想なので、 例えば週休2日で1日6時間とか 仮で良いんです」

「え、じゃあ ソレで一旦決めて下さい」

理想の顧客リスト

次は、理想の顧客リストを作りますょ~

 「理想の顧客?」

そうです、イメージして下さい😊
みゆきさんにとって、来て欲しいお客様はどんなお客様で何人くらいですかぁ?

「仕事をいただける式場は、昔からの付き合いである程度私に任せてくれるから仕事がしやすいんだけど、もう.2件ほどタイミング被らなければ、 他のホテルとかのウエディングで仕事貰えたら、嬉しいかな?」

では、何故他のホテルや式場に営業しに行かないんですか?

「ん〜とですね、 私営業ってやった事なくてちょっと苦手かもしれないんでぇ」

「営業が苦手なら、お客様から売って欲しいと言わせれば良いんですょ〜☺」

ツバメが黒の油性マジックを大げさに振りかざしながら笑顔で語る

「え、どうやって?」

そんな方法私は知りません! (●`ε´●)
貴女が知っているんですょ、みゆきさん 

昔から良く言うでしょ、風邪をひけば花屋が儲かるってね! 

「ツバメさん、、ちょっとふざけてませんか?」

 私の少しムッとした様子をみてツバメが立ち上がり、お湯を沸かし始めた

カモミール茶

ちょっと休憩です

差し出されたティーカップには小さな花が描かれていてレトロだがちょっと可愛らしい

みゆきさん、 カモミール カミツレ草って精神安定剤として使われていたりしますよね、 現在では
ダイエットにも効果があったり、他の花とかもそれぞれ 薬草効能、花言葉とか ドライフラワーにも 虫除け効果があったり 

私は全然詳しくないんですが、貴女なら知ってると思うんですょ〜  

結婚式場で目にした花も、新郎新婦だけに与えられた物でなくて、その場にいた人達にも幸せにしてるって私思うんです

もう一度聞きますね、みゆきさんが思うサービス業って何ですか?

「誰かの笑顔が見たいから、やる仕事かな?」

 心中整いました! 

ツバメが浅草芸人のようにエリをピシっと直し
真顔で説明し始めた

★ここから孫氏の兵法を用いて説明致します

商売とは戦う事 務めるとは従う事
みゆきさんは、務め人ではないので、戦う道を選びました。

戦うと言っても誰と戦うのか? 敵は誰なのかと
申しますと他の同業者とか新手のバルーン屋さんとかではありませんズバリ!自分で御座います

敵 

1 何でも自分でやろうとする自分
2 やる前から諦める常識人な自分
3  すぐに結果を求めてしまう自分
4  チャレンジが持続しない自分

始計   戦うには準備が必要

道  大義名分 (戦う理由)

これが明確でなければ従業員だけでなく自分も気力が続かない 

サービス業とは 誰かの笑顔が見たい人達の仕事

天  天候   (タイミング)

どんなに良い商品であっても、素晴らしい企画でも 良い場面でなければヒットしない 
(売れない)

地  地域性  地の利

自分の得意なフィールドで戦う
地域の利点を探し 追い風を味方にする

将   リーダー 気質

隊長は誰なのか、自分の軍のリーダーはどんな人間なのか 強味を明確に 
(従業員も特徴を把握する) 適材適所 

法    ルール 

今回のテーマなら、稼げるなら何でもやる!では道に反する 誰かの笑顔が見たい人達なので 

エンドユーザー(最終的に商品購入する人)
の事まで考えたルール だったり

自軍 定休日を確実にする事で予定がたてられるように営業日を固定して集中するなど


これがざっくりとですが、理想を具体的にする方法です。 

目標(理想) − 現在 = 今やる事


「みゆきさん、なんとなく見えて来ましたか?😀」

理屈はなんとなくわかったような気がしますね、
ちょっとスッキリしたかも、


 じゃあ最後に少しヒント出しますね😁




  エグザイルのコンサートで拾った紙吹雪に書かれた文字に感動

 夫婦共働きで、毎日仕事に追われクタクタ
ある日 バスルームに旦那が用意してくれたサプライズ 

子供の誕生日に撮る写真 

 風邪をひいた時 お見舞いに貰ったハーブ
のブーケ 

自分でやると言うより、企画を練り上げて宣伝すれば 相手から売って欲しいとなりますよね!

やや解決!

ツバメは左手を目に当てながら、ドヤ顔で中二病全開ポーズを決めている 

見ているコチラが少し恥ずかしくなって来たので
礼を言って店を出る

ヒマワリがとても似合いそうな真っ青な空が遠くまで広がっていた


続く



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