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スコップ一杯のでたらめ  6

「すまんなぁ、ちょっと忙しいんだ」

 
稽古の合間に地元劇団や演劇部大学のサークルを中心にアポイントを取る。やはり興味がある人達は反応がぜんぜん違う 「是非寄らせて頂きます〜チケット買います!」話しが早い
直接学校へ顔をだすと、目を輝かせながら学生さんたちは次々と質問を投げてくる
どうすれば役者になれますか?テレビに出たいのだけど、どうすれば?など夢を持っているのだ

忘れかけていた純粋な気持ちを思い出す

「まずは動く事だと思うよ!」
学生達にアドバイスした言葉が、そのままブーメランで自分に返って来た。

準備は整って来た 
松本市の飲食店をはじめとする直接コンタクト取れる協力者たちは少なくとも200人


他の舞台出演の時や先輩達の舞台に来たお客様に
同時検索のお願いチラシを渡したり 帰るお客様に握手を求めQRコードをこっそり仕込んだり
とにかく行動した。

「ハル〜まだ足りないよね、なんだか不安だょ」

僕もそうだったので二人で軍師マスターの店に行くと、ちょっと用事ある〜と張り紙してある
電話で相談するも、忙しいらしく

「すまんなぁ~ちょっと忙しいんだ
うちの婆さんが具合悪いから落語へ連れていけってうるさくて、」

「へ? 病院じゃないんですか?」

「いやいや、ただ寂しがりだから具合悪いってるだけなんだょ、」

なるほど!

「あと 息子が大学受験控えてるのだが、気になる女の子がいて 勉強が手につかないとかなんとか、ウジウジして引きこもってたり」

「甥っ子が会社でソリが合わない上司がいて
人間関係のうまくいく方法を教えろとか」

「保険のセールスやってる後輩が、稼ぎたいけど話しベタで、どーすれば人と旨く話せるか?」

「ま~アレだ、お前ら大丈夫だよ !パワースポットの四柱神社でもお参りして来な!」

ハシゴ登らされるだけ登らされて 
急に外された気分だった

言われるがままに、お参りしたついでに おみくじを引く大吉を引いた 

なんだかやれそうな気がする〜 

得体のしれない自信だけが僕らの中に宿る

公演まで残り4日  

120/300   

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