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333. 【決定版!】挫折しない片付け

「挫折しない片付けの方法、決定版!が、ありますか?」
と聞かれれば、

私の答えは、

「残念ながら、ないです」
「ありません^^」

です。

タイトル詐欺ですね^^;
ごめんなさい。

数年前、同じようなテーマの
「子育ての講座」に参加したことがありました。


その名も「挫折しない子育て」です。
(「挫折しない子どもの育て方」だったかもしれません。)

「挫折しない・させない方法」をぜひ知りたい!

という期待と熱気で、休日にも関わらず、
予想以上に参加者が多く、会場はいっぱいでした。


ですが、講座が進むにつれて、
会場全体がイライラし始めます^^;

なぜなら、

全く、「挫折しない方法」「どう育てたらいいか」という、
タイトル回収につながる核心をついた話が一向に始まらないのです。

1時間ぐらいの講座だったと記憶しているのですが、

いつまで経っても、「挫折」というワードすら使われず、
徐々に、会場全体がざわざわし始め、

「これは申し込んだタイトルと同じ講座?」

という疑問と、期待とは違う内容だったという諦めと落胆の雰囲気に、
会場が完全にシフトした残り15分ぐらい頃に、

「より詳しい内容は、ここでは無理なので、
 HPから講座に申し込んでください(有料)」

というまさかのアナウンス!

まさかの、最強マーケティング!に、

椅子から転げ落ちる(ズッコケる)かと思ったほどの、
衝撃を受けました。


会場に足を運んだたくさんの保護者の中から、
どれだけの方が本講座に申し込んだのかは不明ですが、

要は、「挫折しない子どもに育てる方法」は、
「ない」ということだと痛感しました。

子育てに限らず、何でもそうだと、私は思います。


まずは、そこを認めるところから始めないと、
片付けもなにも、「スタートできない」のではないかと思います。

「正解」があるかのように見せて、講座へひっぱるより、
そこを認めてしまった方が、誠実な気もします。


私は、参加ポイントが必要だったので、本講座には申し込みませんでしたが、もしかしたら、本講座ではその「方法」が伝授されたかもしれません。


ですが、そもそも、子育てでいえば、
果たして、

「挫折しない子どもに育てること=正解」でしょうか。

挫折を知らないって、
私は、結構危険じゃないのかな、と思うんですけど、いかがでしょうか。


「挫折を知らない」=「挑戦したことがない」と、
同義語にならないでしょうか。


もしくは、「挑戦すれば百発百中で成功する子ども」。
そんなこと、あり得るでしょうか。


挑戦するドキドキ・緊張感、
小さな身体で立ち向かった勇気。


親としては、確かに経験させたくないけれど、
(自分が経験するより辛かったり、見守るっていうのも大変ですよね)

挫折する悔しさや、落胆、
挫折したからわかる、どうしても諦めきれない思い、
経験して湧き上がってきた、本当の気持ち。


自分が、実際に挫折したからこそわかる、挫折した人の気持ち。

というより、挫折しないとわからない、挫折した人の気持ち。


これら全て、
挫折しない子ども=挑戦しない子どもは、
わからないまま、知らないままです。

経験したことがないまま大人になり、社会に出すことが、
子育ての正解でしょうか。

挫折は、失敗でも不幸でも不正解でもなく、

「どんな気持ちになるか知っている」
「自分もやったことがある」


という、人を心から思いやることができる「財産」にならないでしょうか。


挫折を経験せず、

誰かから「思いやりをもて」と言われたとしても、
決して、「真の思いやりのある人」にはなれない気がしますが、

どうでしょうか。


片付けも同じです。

コスパが良くて、部屋にフィットする収納をパパッと見繕って、
家に帰って無駄なく、完璧に気持ちよく収めていく。

要る要らないを瞬時に判断し、
家を片付けていく。


…国内外問わず、動画などでは、軽快に編集されていて、
見ている方も爽快な気持ちになります。

私も見るのは大好きです^^が、
実際に再現しようとすると、結構、というよりかなり難易度が高いんです。

そもそも、見た人が片付くように作っていない(※1)ので、
再現性(※2)が低い
んです。


※1)私は詳しくありませんが、動画をアップする目的は、おそらく動画の再生数を稼ぐこと、チャンネル登録者を増やすことではないでしょうか。
あとは、商品紹介の動画が多いのかなという印象です。

動画で利益が出れば、動画で使用した収納グッズや衣類など、写ってないものを含めて、撮影のための全てのモノは必要経費となります。

※利益ー経費に対して、いろんな税が課税対象となるため、もし利益が出るなら、経費は同じくらいの方が、節税?になりそうです。

※2)再現性:同じことをやって、誰もが同じ効果が得られること


そのため、動画は、わかりやすく視聴者に伝わるよう「編集」されています。企画として「脚本」が用意されていることがほとんどだと思います。


自宅を自分だけで、

動画のようにテレビの企画のように、

「挫折せずに無駄なく片付けていく」は、幻想だと思ってもらってもいい

と思います。


これは、現場でも最初にお伝えすることでもあります。

テレビの影響、動画の影響で、
短時間で大変身!が可能と思って片付けを申し込まれますが、

テレビは裏方さんがたくさんいらっしゃるので、

とてもじゃないですが、同じ放送時間内で
同じような片付けはどうしたって「無理」なんです。

企画になるので、何度も打ち合わせがされています。

誰がどうやって、何のために、
お金(予算)をかけて、時間をかけて編集して公開しているか
を考えてみてください。


私も、テレビの取材を受けましたが、
たった5分のミニコーナーのために、撮影時間は何と4時間以上!

(もちろんギャラなんてありません)

どれだけの時間がかかってないように見せられているか、お分かりでしょうか。



片付けを挫折するとき。

それは、テレビのように動画のようにしようと「無理しているとき」です。

そして、テレビのように動画のようにできない理由を
「自分のせいにしているとき」です。

あとは、1.の記事に書いた、質問の回答が全く定まっていないときです。



あとは、「挫折」をどう捉えるかが大切です。


もしも挫折を繰り返したとしても、

「すっきりした!片付いた!」まで辿り着けば、

それは、挫折ではなく、「すっきり片付けるまで」の、「道のり」であって、

ちょっと、ぶらり途中下車しただけにすぎません^^

挫折の先には、挫折した分の「すっきり!」が必ず待っています。

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心を癒す、優しい片づけ
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