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未来のかけら
図書館の静かな閲覧席で、カメは本の世界に入っていた。ふと気配を感じて顔を上げると、ウサギがそばに立っていた。彼女の瞳はいつものように輝いていて、しかしどこか不安げだった。
「私、未来がどうなるのか知りたいの」
カメは少し驚いたものの、やがてその表情が柔らかい微笑みに変わった。「未来が知りたいなら、占星術の本があったと思うよ。確か分類番号148.8の書架に…」
ウサギはカメの言葉に首を振った。
「ううん、そういうのじゃないの。これからの世界がどうなるのかが知りたいの」
「それなら、分類番号304の書架かもしれない。でも、未来を感じられる場所があるんだ。これから行ってみようよ!」カメは彼女の手を取り、駅へと急いだ。
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東京ミッドタウンの「未来のかけら」展に足を踏み入れた途端、ウサギは目を見張った。そこには、驚きの光景が広がっていた。
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「ここは未来に近い場所。まだ見ぬものを想像力で形作りながら、未来を描いているんだ」とカメは静かに言った。
ウサギはじっと展示を見つめた。
「確かに、ほんの少し先の未来に、この有人小惑星探査機に乗って、未知の星屑を探検すると思うだけで、胸がときめくわ」
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「あれは装着型ロボットアームシステムなんだ。人間の能力を拡張するために、ロボットと人が一体化するデザインが追求されているんだよ」
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ウサギは目を輝かせて駆け寄った。
「いつも思っていたの。手が二本じゃ足りないって。バーベルで体を鍛えつつ、本を読むことができて、さらに食事まで同時にこなせたら、それはもう夢のようだわ」
カメは少し戸惑いつつも、「そういう使い方もいいかもしれないね」と、穏やかに笑った。
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スチーム・ストレッチ
「こうして眺めていると、私の未来は希望に満ちて、ひたすら輝いているのね!未来が待ち遠しいわ!」未来を見つめるウサギの後ろ姿は、いつもよりずっと輝いて見えた。