北欧神秘とひまわり
静謐なSOMPO美術館の中で、ウサギとカメは神秘的な空気を感じていた。目の前の絵画には広大な北欧の風景が描かれ、その中には妖精や神話の神々が巧みに溶け込んでいた。
絵の中には高い山々がそびえ、深い森が広がり、澄んだ湖が静かに輝いている。そして、長い冬の極夜が、どこか現実とは違う世界を語りかけているようだった。
ウサギは足を止め、4枚の絵が寄せ集められた作品をじっと見つめた。絵は、何か深い意味を持っているかのように並んでいる。そっと絵に近づくと、細かいところまで視線を走らせた。
「一つの物語になっているのね。勇者が敵の城に乗り込み、トロルと戦ってお姫さまを救出する、そんなお話ね」
「お姫さまを助け出して、故郷の国へと帰るなんて、素敵なお話だわ」
「北欧神話って、実はゲームやアニメにも大きな影響を与えているんだ。例えば、進撃の巨人とか、ファイナルファンタジーなんかにも北欧神話の要素が随所に見られるんだよ。そう考えると、なんだか急に身近に感じない?」と、カメが静かに語った。
「そうなの?」
ウサギは思わず振り返った。
北欧神秘の世界を後にし、その余韻を胸に秘めたままゆっくりと歩き始めた。館内の空気がふと変わったのを感じて、二人は視線を上げた。その先には、思いもよらぬ光景が広がっていた。
それは、ひときわ大きなガラスケースの向こうで、柔らかな光に包まれているゴッホの「ひまわり」だった。
「ゴッホが描いた花瓶のひまわりは全部で七つあって、これは五番目の作品。ひまわりの数は十五本もあって一番多いんだよ」と、カメは彼女に説明した。
「圧倒されちゃうわね。この黄色、きれい。」
二人は時間が止まったかのように、ひまわりの圧倒的な存在感に引き込まれていた。