原人wifeライフに至るまで[5](女一人で生きて行く為のこころえ)
8年振りに北海道の夏を過ごしているけど、暑い。
数日暑いのを我慢したら北海道の夏は終わりってのが、定番だと思っていたんだがなー。
田舎暮らしだから家中の窓を開け放ってはみるけれど、多少の涼しい風と大量のアブ(ハエの4倍〜5倍の大きさ)が縦横無尽に家の中を飛び回っている。
我が家にはまだ「網戸」と言う文明品は無い。
もちろん、扇風機なんて無いし、エアコンなんてオラ見たことねー。
そんなもんで、椅子に座ってるだけで暑いしアブがうるさいしで文章を書こうにも集中できない、と言う格好の言い訳が出来てしまった。
でも、ここを書かずして原人wifeライフには至らないので、さあ、先に進もう。
原人wifeライフに至るまで[5]
姉が実家に戻って来ていると聞いたのは、海外から帰国して2週間の隔離生活を妹の家で送っている時だった。
私は4姉妹なんだが、私を含む他3人は結構自由気ままに生きて来たので実家に舞い戻っていても驚かないが、彼女は一人タイプが違った。
計画的で堅実で、それでいてとても社交的で誰からも好かれる性格の人物・・・
そんな姉と奇しくも又一緒に実家で暮らせるなんて、何だか楽しくなって来た。
姉も自然の中で生きて行きたいという思いがあったので、華奢な身体ながらも力仕事を張り切ってやっていた。
そんなある日、養鶏をやっていた知人がニワトリを手放すと言う話が舞い込んできた。それも引き取り手がいなければ廃棄処分されてしまうと言う。
それを聞いた姉が数羽飼ってみたい!と言い出したが、鶏と言えどもきちんとした受け入れ態勢をつくらないと直ぐキツネにやられてしまうので、やむ無く却下。
「鶏の捌くのもやってみたい。捌いた鶏肉で燻製を作ってみたい。」
私達は命を頂いて生きてはいるけれど、自分の手で命を取る経験はほとんどの人はして無いと思う。
私はできる事ならしたくない・・・でも、なんか女一人でこれから生き抜いて行くのに、鶏くらい捌けた方が良い・・・みたいな強い決意が姉から伝わって来た。