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2年前、単なるメモから始まった。
私が、現在の書店に勤め始めたのが、2019年3月16日。
売れ行き動向や発注に関して、いま手元に残っている一番古いメモがこちらです。
ちょうど一か月が過ぎた頃です。
メモしているのは、直近で売れた商品のうち、なんらかの引っ掛かりがあったもの。気になるものは、スリップに書き込むか、メモ用紙に書き殴るか、どちらかなのですが、その行為自体は前職から変化していません。
さて本題の前に、話の前提となる説明です。
書店員の、とある一日。
出勤すると、まずは連絡ノートやレジシフトを確認。次いで、何より気になる、前日の売上(特に、自分の担当ジャンルでどの本が売れたか)を確かめます。それから入荷した書籍の品出しに向かい、さあ、今日の始まり、といったところ。
前日に売れた本の確認方法は、主に2種類。
①前日の閉店時に出来上がったスリップの束をめくる。
②パソコンでPOSデータを検索して確認。
手っ取り早いのは、①のスリップ束です。
というのも、
a)まずPCの台数が少ない、
b)お客様の問い合わせ対応での使用が最優先、
といった理由で、PCを占有できる時間が極めて少ない(+細切れになる)からです。当然、他のスタッフも使いたいので譲り合いも必要です。
ところが、これも半ば「昔話」となってしまいました。2018年頃から幾つかの出版社が始めた「スリップ廃止」があっという間に主流を占めるに至ったからです。
スリップ廃止に関する私見は、ここでは述べません。実際問題として、日々スリップの束が減っていき、「前日の売上を把握する」という使い方が出来なくなった。ということを記すのみとします。
そうすると、自然にパソコンでの売上把握が主流になっていきます(もちろん、店頭の棚や平台を見に行って確認しますが、省略)。
そこで、パソコンで何が出来るのか、という説明に移ります。
PCには、取次(=本の問屋)の書誌データベースが入っています。私の(今の)勤務先は「日販」という会社と取引しており、そのデータベースは「nocs7」というものです。
ここでは非常に多彩な使い方ができます。「A」という本に対して、発売日や版型といった書誌情報に加えて、自店の入荷数と売上冊数、市場順位、取次在庫数(+一部ですが版元在庫の有無)、発注した場合の入荷予定日、などが分かります。そして、同じ画面から発注が出来ます。
このようなデータの応用として、例えば「売上期間」を「直近1日」、ジャンルを「文芸」と選択して検索することで、「昨日どんな本が売れたのか」を知ることができるのです。
ここまできて、やっと本題に戻ります。(長すぎですね。)
そうやって、売り上げの確認と同時に追加発注をしていくなかで、「これはちょっとメモしておこう」と思った結果が、冒頭のメモです。
2019年当時、日々「スリップ廃止」が加速するなか、前職と比べて「この店は随分と本が売れるんだな」と分かったこともあり、作業の仕方を試行錯誤していました。
その過程で4~5カ月目に「発展したメモ」がこちら。
本日はここで時間切れ。このメモに関する説明は次回といたします。