「観劇」が新しい趣味に仲間入り

今年の夏、「演劇鑑賞会」なるものに入会しました。
ずっと、演劇というものを見てみたかったんだけれど、地方なものでなかなかチャンスにありつけませんでした。

たまに巡業があったりもするし、せっかくだから少し足を伸ばして都会の会場へ…なんて考えることもあったけど、
一回観るのにもそれなりの金額がかかるし、移動にも時間がかかるし、なにより本当に楽しめるのか…お作法もわからないし…とかなんとか考えて、なかなか実行できずにいました。

…ただ唯一、行ったことがあるのは劇団四季の地方公演。
キャッツとリトルマーメイドを観たことがあるのですが、その世界観に圧倒!
さすがすぎて泣けました。…

今夏、ひょんなことから知人に誘われ、あれよあれよと演劇鑑賞会の会員に。
「巻き込まれ上手」を自称していきたい。

劇団鑑賞会って何かというと、私の解釈では「観劇のサブスク」
会費を払うと、年5〜6回開催される演劇を観ることができる。演目は、会員から構成される人々が話し合って決め、当日までの事務仕事なんかも持ち回りでやる。
その地域での演劇文化を維持するべく、会員制で定期的に劇団を呼び、みんなで鑑賞しましょうという趣旨らしい。
基本的には、他の会員さんとのコミュニケーションは発生しないし、一人で気軽に観に行ける。日にちと演目が年間で決まっていて、自分で決めることが少なく、定額でひたすら演劇を鑑賞できるのがよいところです。
年に一度、運営担当にあたったときは、チケットもぎりとか、会場運営の準備にあたる必要があるとのこと(これは吹奏楽の経験で慣れていると自負しています。演劇だとまた勝手が違うとは思いますけどね)。

観る演目は、自分で決めることはできないわけですが(年間の予定を、会員みんなの意見やアンケート、劇団との調整により決めているそうです)、
自分の好みによらず雑多にいろんな作品と出会えるのはとても面白いです。
まだ、実は2回しか行ってないけど、日常に近いドラマみたいな演劇だったり、ミュージカルだったり。次の演目はどんな内容かなあとわくわくして毎回帰ります。

劇を観ていて印象的だったのは、「登場人物みんなちょっとずつクズ」ということ。
言葉は悪いんですけど、本当にそう感じました。
ドラマや映画だって、そうではあるのかもしれないんですが、それ以上に、一人一人の人間性みたいなものがよく表現されているような気がして。
俳優さんたちは、たとえばテレビでよく観るというような、名前を聞いたらあの人か、と印象が思い浮かぶ方たちではなく、私からすれば「普通に自分以外の他人」として目に映るからこそ、そういうふうに感じるのかもしれません。

主人公も、主人公の周りの人も、なんでそこでそんなことするの〜と思っちゃうような、あやまちを犯したり(実際トラブルが起きる演出)、過去の設定がなかなかハードだったりします(不倫とか色恋ざた、物語にはあるあるだけど、演劇だと特にハードな内容である気がする)。
でも、「登場人物みんなちょっとずつクズ」って、まさに人間だよなあと思ったりもします。
私だって、日頃それなりに生活しているけれど、自分でもクズな一面は自覚している。
一緒に働いている人も、友達も、家族も。誰にでもきっと少しはクズな一面があるのだと思います。
うまく、取り繕っているだけ。
間違いを犯すこともあるし、共感できないことだってある。
そんな、あたりまえのようでいて目を背けがちなことを思い出させてくれたのが、演劇でした。
どんなにおかしな経歴をもつ主人公も、ありえない発言をする登場人物も、ストーリーが終わりカーテンコールが始まる頃には、なんだか可愛らしく、愛らしく思えてしまうから不思議。不完全な存在である個人は、誰しもそういう存在なんだなあって思います。

今年始めて良かったことの一つが、観劇です。大げさだけど、人間の見方が変わったような気がする。
いつまで続けられるかわからないけど、これからも、定期的に観劇していく予定です。繰り返し見ていたら俳優さんたちこのとも覚えてくるかもしれないし、たくさん観ることで知れることも出てくると思います。
新しい発見を楽しみに、また来月の観劇も楽しみに、がんばります。

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