スウェーデン女子トップリーグの給与事情〜半数が仕事とかけもち〜

 スウェーデンの民間労働組合「Unionen」が、同国の女子サッカー1部リーグ「ダムアルスヴェンスカン」でプレーする選手の給与事情についてレポートをまとめている。

『Ojämn spelplan』(不公平なフィールド)と題したレポートによると、ダムアルスヴェンスカンに所属する選手の月給は、約8割が2万クローナ(約22万円)未満。また、約半数がサッカーだけでは生計を立てることができないという。

 ストックホルムに拠点を置くユールゴーデンでプレーするファニー・ロングは日々の生活についてこう述べている。

「週5日勤務しています。うち2日が6時半スタート、3日が7時半スタートで終わるのは13時。それから電車で練習場に向かい、練習が終わって帰宅するのは20時過ぎです。12時間勤務ということになりますね。これではサッカーを自分の仕事だと言えません」

 PSGに籍を置き、現在フランスで行われているW杯でスウェーデン代表としてプレーしているハンナ・グラースは、仕事とサッカーを両立させていたスウェーデンリーグ時代とフランスでの生活を比較し、サッカーに集中できる環境がいかに重要かを訴える。

「(PSGに移籍してからは)以前よりも活力が増して、練習量も増えました。体調もいいです。サッカーだけで生活できる選手がもっと増えていれば、女子サッカーの質は今よりも高かったはず」

 「Unionen」のマルティン・リンデル会長は「女子サッカー選手は働きながらプレーをするという状況に置かれている。フェアではない」とコメントしている。

「Sporting Intelligence」が2017年に発表したレポートによると、ダムアルスヴェンスカンでプレーする選手の平均給与(月額)は約1万クローナ(約11万円)。これはフランス、ドイツ、イングランド、米国に次いで5番目の数字だ。