弦に対する感覚
弦楽器は弦を弾いて音を出す楽器です。
こんなことは当たり前、ですよね?
でもこの「弦に対する感覚」は人それぞれで、これが上手くつかめるかどうか?がギターの技術を大きく左右します。
上手く弾けない人はどうも弦を弾こうとしてしまう。
すると力で弾いてしまう。
なのでギターが良い音で鳴らない。
先日書いた事ですが、例えば私が弾くのと生徒さんが弾くのとでは弾く音量が違う。
だいたい生徒さんの弾くのは音がいつも大きい。
小さくして、と言っても小さくできない。
かと言って強くも弾けない。
この違いはとても大きい。
感覚で、弦をホントに軽く弾いた感触、弦を思い切りかき鳴らす感触の違いがわかるかどうか?
そのためにはピックの持ち方もすごく大切です。
指先、というか第一関節までのところで挟み弦に当たる感触を楽しみながら弾く。
これがギターの気持良さです。
この弦に当たる感触があまりないために強く弾く、弱く弾くの違いがわからない。
弦は硬いものです。
その硬いものをどうやって鳴らすか?
ここがつかめるかどうか?です。
例えば、ネックの上で弾くのとブリッジギリギリの所で弾くのとでは手に伝わる弦を弾く感触が違いますよね?
弦を弾く感触とはこういうことをいつも感じながら弾く、ということです。
ピックを斜めにあてる、平行にあてる、寝かせてあてる、深くあてる、浅くあてる、スナップを効かせて弾く、押し込むように弾く。
こういう違いを感じられるかどうか?
これはピッキングだけでなく、押さえる方も微妙な感覚が必要です。
例えばコードカッティングをする時には、強く押さえすぎてしまうと指を浮かせるのが遅くなり、結果として歯切れが悪くなります。
強く押さえずにほんの1mm程度で弦を押し込む感覚を覚えてください。
押さえる、離すというオン/オフで考えないでください。
ギターはオン/オフでなく、0から100までがグラデーション的に変えていくことが大切です。
これがおそらくギターが弾けるかどうかの別れ道ではないでしょうか?
そのためにはギター以外の事にもセンシティブであるべき、です。
味の違いを楽しむとかいろいろな匂いや音。
ギターはこういう五感をなるべく敏感に使えるようにすることがとても大切な楽器だと思います。