山梨県韮崎市 保育園「キヅキ」
キヅキ
社会福祉法人ゆうゆうでは、令和6年4月より、山梨県韮崎市の公立保育園の民営化に伴い、移転新築の民設民営の保育園「キヅキ」を開園いたしました。
保育目標
思いやりのあるこども
意欲あるこども
生活の中で決まりの守れるこども
コンセプト
「思わず~したくなる」
「The sense of wonder」
感じることは知ることの何倍も豊かさを与えてくれる
誰にも強制されることなく、誰かに言われたから動くのではなく、「思わず~したくなる」ような環境を用意して、思わず触りたくなる、思わず食べたくなる、思わず読みたくなる、思わず寝たくなるような時間や空間を自然素材や自然な光や木々の揺らぎの中で、ヒトが本来持っている本能と繋がるような環境。
暮らしで繋がりあそびで広がる。
暮らしが人々を繋ぎ、遊びが人々を豊かにしてきたように、保育環境の真ん中は、暮らしとあそび。
暮らしが安定してはじめてあそびに広がっていく。
こどもたちの素晴らしい感じる力を私たち大人が奪うことのないように、丁寧にこどもが感じているすべてを大人も感じながら、大人にとっても「思わず~したくなる」ような場所であり続けたい。
そして、こどもたちに見せたい景色を社会のあたりまえの景色に。
キヅキという名前
関係者がいろいろなことに「気づき」
韮崎の風土に近い園舎を「築き」
こどもたちがことやモノに出会い心で「気づいていく」
「当たり前」や「固定概念」として決めつけるのではなく、「当たり前と思われる事柄を、見慣れないものに変える」=柔軟な考え方や受容することが大切だと考えています。
こどもひとりひとりのことはもちろん、私たち大人も様々な人の想いに気づき、心を柔らかくして、みんなで成長していけるような園にしていきたいと思っています。
園舎について
キヅキの照明や床材、壁各部屋で異なり、好きな照明、好きな場所をみつけることができます。これにはこどもたちの個性を大切にするという意味が込められています。
この部屋の床材は空気の密度の高いヒノキを使っています。
ランチルームの床材はナラできており乾燥すると縮み、湿気で膨らみます。ヘリンボーンの床になっています。照明は朝日から夕陽、月のように時間によって色が変化し、光で時間を感じられるものになっています。
図書室は洞窟のような雰囲気になっており、「思わず読みたくなる」「思わず寝ころびたくなる」「思わず外を眺めたくなるような」・・・そんな空間になっています。
山梨県甲州市塩山にある「COMAKI GLASS」
ガラス作家の小牧広平(こまきこうへい)さんに作っていただいたものです。3種類とも形が違い世界にひとつだけの灯りです。
ランドスケープ
①「自然」だけでなく、「自然との暮らし」を身近に
キヅキに生える木々は七里岩や船山の植生に近づけます。ケヤキ、コナラ、オニグルミを中心として、エゴ、カマツカ、リョウブ、アオダモなど落葉広葉樹が近隣の植生の多くを占めています。
人里に近い森の植生は、人々の暮らしぶりを反映しています。薪を拾い、堆肥のための落ち葉を掻き、木の実を収穫する。
かつての原子的な暮らしを身近に感じながら、人間の「生きる力」を育む…そんな園庭にしていきたいです。
②風景と繋がり、土地に馴染むこと
キヅキの立地は釜無川と塩川の間の平地ですが、八ヶ岳の噴出物である七里岩との繋がりがありそうな場所でもあります。実際近くの船山は少し離れていても七里岩と同じ構造を持っています。八ヶ岳から地中ではつながる大きな岩盤の一部がここで表出し、小さな岩礁は浮島のような森となり、そこにこどもたちが暮らしている、そういうイメージです。
③多様性を許容する自然の中の社会を知ること
森の中では光や水を求めて激しい競争が繰り広げられています。ただ一方で、強い光や乾燥に強い大木が木陰を作りながら小さい木々に栄養を与えたり、小さな菌たちが大木の養分の吸収を助けたりもする。虫が花粉を運び受粉を助け、鳥が種を持って来て植物を移動させる。多くの動植物それぞれが小さな役割を果たしながら、安定した森の営みを維持しています。単独で生きている生物はなく、誰の役に立っていない生物もいない。それを理屈ではなく体験として感じてほしい。
最初は自生種の植物を植栽しますが、風や鳥に運ばれてくる植物たちも徐々に加わっていくつかの小さな生態系を形成していきます。時間が経過しながら、半分は自然の介入によって、そして、もう半分は人の手を加え続けることによって、この保育園を取り囲む植生が大きなひとつの営みとして安定したとき、「杜」と呼べる場所になっていくと思います。
法人全体の庭を管理してくださっている株式会社空庭の彌永さんがキヅキの庭についても丁寧に作ってくださっています。
ショベルカーやトラックに乗って作業しているところ、木を植えたり、石を持ち上げたり、庭師さんの作業する姿を間近で見られることも今しかない貴重な体験です。
日常の様子
キヅキの中庭は全部が砂場です。どこに水が溜まりやすいか、どこが掘りやすいか、固まるか、どんどん体験して変化を見つけていきます。
「これは何かな」「触ってみよう」「とれるかな」と手を伸ばし、いろいろ試しています。
扉を開けて消防車や広がる景色、その後ろに通る電車を想像して絵を描いています。目の前に消防署があることで、毎日消防士さんの様子まで見られる貴重な体験をさせていただいています。
庭のお花を拾ったり、自分たちで植えた野菜の苗やお花の世話もその日その時気づいた子がお水をあげて、みんなで成長を楽しんでいます。
日に日に虫かご、水槽が増えていきます。この前はタニシを「貝殻を見つけたの~」と嬉しそうに教えてくれる子もいました。見つけたら図鑑で調べたり、エサを探し回ったり、水替えなどお世話もしています。
4月当初は泣いて担任から離れなかった子も、徐々に笑顔で登園するようになり、安心してご飯もたべ、眠れるようになってきました。
私たち保育者を少しずつ受け入れてくれてうれしく感じています。
差し込む光をイメージしたライトのところに影あそびができることをこどもが発見しました。大人が先走らなくても、こどもたちはありとあらゆるものを見つけ楽しむ力を持っています。
こどもたちが自分の身の回りのことを自分でやろうとする気持ちを応援し、少しずつできることが増えていくことに自信をつけていってほしいと思います。一方で、困ったときには誰かに助けを求めたり、誰かが困っていたら手を貸すなど、周りの人と繋がりながら生活していく力も付けていってほしいと思っています。
このキヅキでは、暮らしと遊びを大事に考えています。
それぞれが生活の中でできることをしながらみんなで気持ちよく過ごせる暮らしを作っていくことを大事にしています。
入園案内
入園または見学につきましては、キヅキへ直接お電話をお願いいたします。
就職案内
社会福祉法人ゆうゆうでは、想いのある職員を募集しています。
法人に興味を持っていただけた方は、HPのお問い合わせ、または希望する事業所へ直接お電話をお願いいたします。
社会福祉法人ゆうゆうだからこそできる働き方、社会福祉法人ゆうゆうの強みについてはこちらのnoteをお読みください。
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今後の課題
こどもたちには、家庭環境はもちろん、障害のあるなし、国籍の違いなど関係なく、みんながお互いに支え合って生きている大事な存在であることを肌で感じながら育ってほしいです。
そのため、限られた人員配置の中でも、ひとりひとりが「周りの人に愛され、大事にされた」と実感できるような日々が送れるよう、関わっていきたいと思います。
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