シーシャとお茶の香りの共通項を探す。SWAYで体験できるおすすめのペアリング
こんにちは。フォトグラファーの三浦えりです。
7月のSWAY magazineはSWAYでお茶のメニューを提供しているFAR EAST TEA COMPANY(以下FETC)とのタイアップ1周年記念として、FETCのお茶についてお届けしてきました。
連載最後となる今回はFETCのおふたりにSWAYで提供しているお茶について詳しく教えていただき、シーシャとお茶のペアリングのコツをお伺いしました。SWAYを訪れた際のオーダーの参考にしていただけると嬉しいです。
本編に入る前に...
「シングルオリジン」について知ってからお読みいただくと、さらに楽しめると思います。
SWAYで味わえるお茶
– SWAYのメニューになっているFETCのお茶について教えてください。
藤井:煎茶が2種類あり、鹿児島県の「やぶきた」と静岡県の「ふじえだかおり」、ほうじ茶は鹿児島県の「ほうじ茶」をセレクトしています。ラテ用や茶ハイ用に静岡県の「べにふうき」という紅茶もあります。
鹿児島県産の「やぶきた」は僕らが好きな農園と話していたところのお茶で、ほうじ茶もそうです。(前回記事「選ぶことが楽しくなる。農園と飲み手をつなぐFETCのお茶へのこだわり」参照)
ほうじ茶は「出物」(でもの)と言われる茎や弾かれた茶葉を使うことが一般的ですが、このほうじ茶は1年で1番美味しくできる一番茶の葉っぱや茎を使って作るため、ボディーがあって旨味が強い。香りの付け方もとても上手で、お酒で割ってもアルコール感が少なく飲みやすいです。
畠山:SWAYで提供しているアルコールのメニューは、お酒っぽさをなくすことを目標にしています。お茶割りはどうしても焼酎の香りが強く出ますが、それを防ぐために意識しているのが「焙煎の香り」。火香といってお茶を作る最後の工程の乾燥の段階で火の香りがつき、お酒の香りと相性がよくてとても飲みやすい味わいになるんですよ。「べにふうき」はまさにそんなお酒に合うお茶です。
ジン(SWAY シーシャプレイヤー):茶ハイは僕もおすすめしたいメニューです。急須で入れたお茶割りは滅多に飲めないのでぜひ飲んでもらいたいです。
藤井:ペットボトルのお茶で作った茶ハイとは比べ物にならないぐらい僕らも美味しいと思っています。特にこの「やぶきた」はどんな飲み方でもできるお茶の完成系だと思っていて、ホットでもアイスでも美味しいし、お酒で割ってもお酒に負けない味わいです。
– ハーブティーもFETCのセレクトですか?
畠山:ハーブティーはFETCのシングルオリジンのお茶とハーブをブレンドしています。
藤井:「シトラス×煎茶」はミントの香りもありとてもさっぱりしてて、爽やかな印象です。アイスで飲んでも美味しいですよ。「ローズ×紅茶」はほうじ茶自体が持っている甘みのある香りにローズの香りを足して重厚な風味を楽しめます。「カモミール×紅茶」は紅茶がエスニックやオリエンタルな雰囲気を足してくれていて、複雑な香りが楽しめます。
畠山:ラテのメニューは僕が紅茶スタンドをしていたときのレシピを再現しています。ミルクにも重めの甘さがあるけれど、紅茶やほうじ茶の香りのパンチが残る。大量の茶葉を使って作っているので、エスプレッソのような味わいです。
藤井:ラテに使用する「べにふうき」の茶葉は夏摘みのもの。春摘みと夏摘みでは香りが異なり、夏摘みの方は香りが強くて渋みもあります。濃厚なので、ミルクを入れても味が負けません。
畠山:「ほうじ茶ラテ」には紅茶を少し入れています。ほうじ茶は香りがメインのお茶なので、どうしても味わいが薄くなってしまいます。そこで、紅茶を少し入れて、味を補完しているんです。実はラテで使っている砂糖もそれぞれ違います。「べにふうき」は上白糖で「ほうじ茶」は黒糖。味にはこだわりを持って作っているので、他では飲めないくらい美味しさには自信があります。
シーシャとお茶のペアリング
– SWAYスタッフのジンさんから、ドリンクはお茶のオーダーが一番多いと教えてもらいました。しかもリピーターの方からの注文が多いそうです。お客さんもシーシャとお茶のペアリングをすでに楽しんでいるようですが、お二人はシーシャとお茶のペアリングのおすすめはありますか?
藤井:ペアリングって、ドリンクと料理の重さのバランスが大切なんです。なので、お茶とシーシャもそれぞれの軽さ重さを考えて選ぶと良いと思います。
例えば、煎茶は香りが一番儚くてさっぱりした味。なので、ミントやパッションフルーツなどの爽やかな香りのフレーバーを選ぶと煎茶にも合います。それに対して「ほうじ茶ラテ」、「べにふうきラテ」は甘さもあり、しっかり口の中に味も香りが残るので、甘い香りのフレーバーとの相性が良いと思います。
解像度を高めていくと、お茶とシーシャのフレーバーにそれぞれどんな香りがあるかがポイント。ほうじ茶は焙煎しているので、ナッツやチョコレートなどのローストした香りと相性が良いです。シトラスはフルーツなので、ぜひフルーツ系と合わせてみてください。こんな風に香りの共通項を探していくこともペアリングの楽しみ方のひとつです。
夏におすすめのFETCのお茶
– 暑い日が続きますが、夏におすすめのメニューはありますか。
畠山:シトラス煎茶はスッキリしてて夏向け。「ふじえだかおり」も香りが軽くて爽やかな味わいです。釜炒り茶と言って、中華鍋のような大きな鉄の鍋でずっと煎り続けて作るのですが、蒸してつくるお茶よりも香りが強く火香が強く出るので、冷やして飲むとすっきりして夏に合うと思います。
ジン:いまは「やぶきたのアイスで」とオーダーするお客さんが多いですね。僕自身、日常で急須を使うことは多くないのですが、こうして淹れているときのお茶の香りがとても心地良くて、FETCのお茶には愛着があります。だからこそ、お客さんにも美味しいお茶を届けたいと日々思っています。
FETCのおふたりのお話を聞いて、こんなにもお茶に個性があることに驚きました。なんとなくその場の雰囲気や味の好みでお茶を選んでいましたが、お茶を味わうことに対する解像度が格段に高まった気がします。
さらにシーシャとのペアリングにより広がる可能性は無限大です。これからも続くSWAYとFETCのコラボレーションをぜひお店で体験してみてください。