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言葉って、話をすることって。

言いたいことがうまくいえない

こんな悩みを持つことは案外普通なことらしい

私は何かを限定して言ってしまうと
他の可能性を全否定するように感じて
だからこそ自分の考えを言葉にするまでに
時間を要してしまう

私の友達やバイト先のお姉様方も会話速度が早い
多分頭の回転が早いということなのだろうが
内容がポンポン変わっていくのは正直、つらい
「よく話を聞いてくれるよねー」と言われるが
自分の言葉を発する前に話が進んでいるだけである

こんな私の本音に最近ある人が気づいた

「もしかして、
 自分の考えを言葉にするの苦手ですか?」

「えぇ、まぁ、時間かかってしまって、
 それなら話すのを諦めちゃおうかなって…
 なるんですよね…」

あぁ、次に何を言われるのかな…不安だなぁ
私がグズだとでも遠回しに言われるのかしらん…

「うん、それはね言葉というものの
 特質上しょうがないことなんだよね〜」

え、
私のこと否定するのではなく?
案外と当たり前のことだったの?
うそん!

「それはどいういことでしょうか?」

「言葉ってさ、
 いろんな意味とか可能性を秘めてるでしょ?
 んー、そうだな、
 じゃあさ、
 例えば一番特定する言い方ってなんだと思う?」

「………?」

「これはペンです。
 こう言われたらさ、
 それ以上の意味も限定的な言い方もないよね?」

「これはペンですってさ、
 そのペンと限定されたものはもう鉛筆とか、
 似てるけどシャーペンってわけでもなくなるのね」

「つまり、
それ以外の可能性はその一言で全部消されるんだよ、
 有名な言い方でさ
 『これは石です』って聞いたことない?
 それもさ、
 もう言われた側は「はいそうですね、」
 しか返事できないでしょ?」

「でも一方でさ、「運動してください」って
 言われたとするでしょう?
 このときさ、答えとしては複数の可能性が
 出るんだよ、どういうことか分かる?」

「………」

「まぁ、なんというのかなぁ
 走る人もいれば、縄跳びする人もいるんだよ、
 どれもその人にとっては『運動』でしょう?
 ここにはさ、
 言葉が含める解釈の可能性があるんだよね、
 若い人と高齢の人に「走って」っていうでしょう?
 そしたら
 若い人は全速力で走り去ってくかもしれないし、
 高齢の方はその最高速度が外野からすれば
 歩いてるように見えるかもしれない、でもさ
高齢の方からすればそれが全力かもしれないんだよ」

「だからね、
 言葉を発するとその受け取り側によって
 色んな解釈の仕方が出てくるんだよ、
 しかも当たり前と思ってる事象もさ
 他の人にとってはそうじゃないかもしれない、
しかも同じ言い方で意味が違うこともあるでしょう?
その意味を双方で理解できるようには例を挙げるとかの説明が必要になってくるわけだよ。」

「考えを表現するの苦手って言うけど
 多分どうすれば伝わるかって相手のことを
 考えてるからこそ時間がかかるってわけだから
 それは割とおかしいことでもないんだよね」

「普段の会話にさ
 そこまで深追いってしないでしょう?
 何かしっかりと伝えないといけないときは
 話自体に時間かかるしさ、
 だから速度に追いつけないとかじゃなくて、
 どれだけ相手が聞いてくれる間を、余裕かなぁ、
とかを持っているのかなって言うのもあるんだよねぇ
まぁ、人間が言葉を話す以上そう簡単なことでもないってことかな?」

こうして話を聞いていて
確かに会話って双方向で行われることだし、
解釈の問題とか意識したことなかったけど
言われてみれば齟齬が生じないように
伝え方を考えていたかもと思う

いつしか、高校の日本史の先生が言っていた
会話と対話は違うと、
会話は表面だけで通じればいいレベルで
対話っていうのは相手の心の中の考えまでをしっかりと理解すると言うことである、
らしい…

こんなふうに思うとさ、
人と話をするのって大変なことかもしれない
相当なエネルギーを使うのではないか、

あぁ、なんか自分の中でさらにハードルが上がってしまったような気もするが、話をするということは
人に興味を持つことだから、それを大切と思ってる
私には諦めてはいけないことに感じる。

だからこそ
話すのが苦手という自分の悩みを普通のことと
言ってくださった方の話はとても勉強になったし…

少しずつでもいいから
思っていることを言葉にできるようになりたい…
と、思う。

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