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脳内麻薬によるサイケデリック ふくろうず『砂漠の流刑地』

2011年リリースのこのアルバムについて私が一番言いたいことは、このアルバムは後世まで聴かれてほしい作品であるということである。

例えば学生時代など、自己形成にしか興味が無く、いろいろな初めての体験を試みながら物凄いスピードでただフィードバックを繰り返していた、そんな時期がある人は多いと思う。そしてその時期は、自分の場合ほぼ今の自己が形作られた時期であり、たまに思い出しては感傷的な気持ちになる。このアルバムは、そんな時期のある種躁状態の万能感のようなものが詰め合わさった作品であり、そういった点ではあまり類を見ない。

ポップバンドのイメージで知られている彼女らだが、このアルバムに限っては歌詞、曲調、歌唱全てのテンションが極端にハイかローに振り切れてしまっており(俗な言い方をするとキマりきっている)、謎のサイケデリック感が全体から出ている気がしていて、それが心地良い。

曲で言うとM2.砂漠の流刑地、M5.ユニコーン、M7.スフィンクス、M10.キャラウェイ、M11.優しい人 は曲単位で何度もリピートするくらい好きでかなり強度もある曲だと思う。全体で見ると正直曲のクオリティの差があると思うが、謎の万能感とフロントマン内田万里のポップセンスで最後まで走りきってしまう。みぎききワイキキなんかはチープ感が逆に好きだったりする。

ある種の人には刺さりまくる作品だと思います。

このMVの衝撃で当時アルバムを買った気がする。

YouTubeには無いですが、「優しい人」はファンがおそらくみんな好きなとても良い曲。個人的におすすめはエッジが立っててサイケ感マシマシな「スフィンクス」です。


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