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「大岡信さんを送る会」

4月に亡くなられ、新聞コラム「折々のうた」などで詩歌の世界の広さ、深さを教えていただきました大岡さんの「送る会」に参加してきました。

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受付で、この日に合はせて編まれた詩集「大岡信の詩16」をいただきました(タイトル上の写真です)。

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開式まで、献花の間、流れてゐたのはバツハのやうでした。
スモークツリーが遺影を包むやうに活けられてゐました。

谷川俊太郎さんの弔辞は、大岡さんについて書いた詩「微醺をおびて」の朗読でした。微醺(びくん)はほろよひのことのなのですね。さすが黒でしたが、相変はらずのTシヤツ姿でした。「大岡ーっ、大岡ーっ」と何度も呼びかけながら、「おれはまた君と連詩で遊び呆けたい」などの朗読でした。

作曲家一柳慧さんがピアノで献奏された曲は、何と名付けたらよいのか分からないパフォーマンスのコラボレーシヨン作品「生田川物語」で作曲されたのものからでした(私は観聴きしてゐません)。台本:大岡さん、演出:観世榮夫さん、演者:観世榮夫さん、野村万作さんなどだつたさうです。

白石加代子さんが朗読された大岡さんの作品は、
「祷」
「サキの沼津」
「雪童子」
「水底吹笛」
でした。
大岡さんの魂を参会者に伝える巫女のやうな朗読でした。

ジユリエツト・グレコと語らふ映像を観れたのは貴重でした。
大岡さんの詩「炎のうた」をお二人で共訳し、グレコが作曲し、ステージで歌つた映像もよかつたです。

会場の明治大学の土屋学長が披露されたエピソード。
学長は同大学で学生運動に身を投じてゐて、バリケードが設けられてゐる中、同大学で教鞭を執られてゐた大岡さんは、「世界のすべてを否定する」と言ふ学生に対し、「私はすべてを肯定する」と言い放つたとか。立ち位置に気骨があつたのですね。

喪主、奥様の大岡かね子さん(劇作家・深瀬サキさん)のお言葉。
「大岡は、大変、雨男でございましたが、今日は涙の粒のやうな雨の中、このやうに皆様に送られて、幸せだと思います」

合掌。

会の様子(NHK NEWS WEB)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170629/k10011033781000.html

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