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ケンチキ11種の秘伝スパイスに挑む④**原点回帰**
ネットに出ていたケンチキ「11種類の秘伝スパイスレシピ」をもとにフライドチキンをつくってみた前回。
明らかにケンチキのそれとは違う出来上がりに、「レシピ」がガセであることを思い知る。その味は本家本元の味を忘れさせるほど。
手がかりを失い、しばらく何も進まず、このテーマは放り出したままとなる。
ふと初心に立ち帰り、記憶の深海に沈められた本家の味を再確認してみることにした(単純に晩ごはんをケンタにしただけ)。
コレコレ。オリジナルチキン。
立ち上る香りに反応するように、口内にあの味の記憶が蘇ってくる。
食べるより早く、パプロフの犬よろしく、私の口のなかは記憶から蘇ったチキンの反芻を始め、ヨダレで溢れかえる。
食べる。
うまい。安定の味。
目をつぶって食べてもすぐにケンタッキーのそれとわかるアノ味、アノ食感。
オリジナルレシピが完成した1939年以来、世界中のケンチキ愛好家を虜にし続けたこの味は、既に私たちの細胞レベルまで染み込んでいて、やはりファミチキとは別モノなのだと改めて実感させるのだ。
骨だけになった皿を眺めながら、名残惜しいとばかりに指を舐め尽くす。
私はもう一度この味にチャレンジするモチベーションを復活させた。