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イスラームについての読書歴
今日は休日だった。
八時半に起き、朝食のパンを食べた。
晴れていたので山に行こうと思ったが、寒いので家で読書をすることにした。
今年の夏に行くペルーについての本だ。
インカ帝国について。
しかし、その読書の前に、私は絵を描いた。
有料公開予定の長編小説『アラビアン・アラジン』の表紙だ。
スケッチブックに描いて、写真を撮り、パソコンに移した。
私は昔からイスラム建築に興味があって、二十六歳の時に、スペインとインドに行っている。
あの年は、仕事から帰ると、旅行先についての本ばかり読んでいた。
スペインには有名なイスラム建築として、グラナダのアルハンブラ宮殿とコルドバのメスキータがある。スペインはキリスト教の国だが、一時イスラム世界に支配されていた。それを国土回復運動(レコンキスタ)を戦って、イスラム勢力を追い出した経緯がある。それは高校の世界史で勉強したから、旅行で楽しめる。勉強をしていない人はスペインなんか行っても楽しめないだろう。歴史がわからないと、建築や美術など見てもなんの感慨も起きないかもしれない。まあ、私もイスラム建築については深見奈緒子の『イスラーム建築の見かた』くらいしか読んでいないが、読んでいるのといないのとでは全然違うと思う。
スペインに行ったのが五月だったと思うが、その年の十二月、私はインドに旅行した。それまでの七ヶ月ほどは毎日、神谷武夫の『インド建築案内』という本を読んでいた。写真が豊富でインド全国の歴史的建造物が網羅されている。いま、アマゾンでリンクさせようと思ったら、英語訳しかないみたいでやめた。もちろんインドにはイスラム建築ばかりでなくヒンズー教や仏教の建築もある。しかし、インドを代表する建築と言ったら、タージマハルだろう。あれは見ておいて損はない。王妃の墓らしいが、私も浅い知識しかなかったが、その壮麗な建築を見ただけで、インドに行って良かったと思うだろう。
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一年でスペインとインド、イスラームの本場である中東を東西から攻めた感じだが、私はさらに北から攻めたこともある。ウズベキスタンだ。もしかしたら、イスラーム建築を堪能したかったらウズベキスタンが一番お勧めかもしれない。
ウズベキスタンに行ったときは、たぶん『地球の歩き方』を入念に読んでいたと思う。しかし、その国は世界史の表舞台にはティムール帝国が首都をサマルカンドに置いた頃に登場するばかりで、他の時代のことを私は知らなかった。だから、行ってみても、わからないことばかりでもっと勉強してから行けばよかったなと反省した。それは例えば日本に旅行する外国人が徳川家康を知らないとかそういうのと同じである。家康を知らずに日光に行っても面白さは半減すると思う。
他にもイスラームについての本は読んでいるが、すべて紹介したところでたいした意味はないからやめておき、今回は単にイスラーム建築は美しいですよ、という結論に留めておこうと思う。
私は冒頭に述べたように、イスラーム世界を舞台にした長編小説『アラビアン・アラジン』を有料公開しようと思っているが、その作品も見る人が見れば、イスラーム世界についての私の無知が見破られてしまうと思う。しかし、物語としては確固たるものがあるので、公開されたら読んで欲しい。
現代日本人の書いたアラビアンナイトだ。