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【超短編小説】嘘つき
ホテルの窓を開けると潮の匂いが部屋に流れ込んできた。何も見えない闇の中で、恐らくは波が寄せたり返したりしているのだろう。
この匂いは微生物の死骸が発するものだと言うことを脳裏に浮かべながら、胸いっぱいに吸い込む。
雨樋やベランダを伝って下に降りた。
まるでやっている事が少年時代だなと思って少し笑ってしまったが、慌てて口を抑えた。
外から中のカウンターを見てみたものの、誰も立っていなかった。
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