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【短編小説】at the ムーラン秋葉原in春夏醜冬
空調の効いた店内をありがたく思ったが、そこを天国と呼ぶにしてはあまりにも湿った諦観が充満していた。
小春日和と言うには暑過ぎる日差しを避けて踏み込んだのはそんな場所だった。
所狭しと置かれた棚には絶望とか断絶とか閉塞とか鬱屈とか悲観、どんなに良く見積もったとしても羨望だとか白昼夢を具現化した様な女たちがパッケージされて並んでいた。
その絶望や閉塞はどれも美しく、そしてそれは僕らにとって断絶や閉塞そのものだった。
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