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『キン肉マン感想問題』と信教への試練

ゆでたまご・嶋田先生が燃えている。当初は『キン肉マン』のスクショネタバレだけの話だったのが、今では集英社、ひいてはマンガ界全体のSNS感想の是非を問う問題にまで発展している。

詳しいいきさつはこのブログとnoteを見ていただくとして、わたしはわたしの心情をメモしよう。

『みんな大好き』さんのブログを拝見して、もともとはとても熱狂的なキン肉マンファンでおられることを察した。そんな方が、「web連載はお情けのおこぼれ」「Twitterは便所の落書き」という言葉で自身や属するコミュニティを侮辱されたら、それは腹が立つなどという言葉では飽き足らない憤懣を抱くだろう。キン肉マンには疎いわたしだが、その気持ちはよくわかる。

このブログを読んでわたしが連想したのは、永野護だった。

『ファイブスター物語』で有名、というか30年以上『ファイブスター物語』しか描いていないマンガ家(アニメーター?監督?)である。緻密すぎるこだわりで異星の世界観を描き、モーターヘッド、あるいはゴティックメードと呼ばれるとにかくかっこいいロボットのデザインで熱狂的なファンを獲得している。

ご多分に漏れず、わたしも大ファンである。人物の成長物語や歴史の壮大さ、運命と人間の残酷さを描く筆致に、もう四半世紀夢中になっている。何度も読み返しては発見を繰り返している。

そんな人から裏切られたらどうしよう?

ファンコミュニティを全否定され、今の読者は作家が本来想定しておらず、お情けで作品を見せてやっていた、なんて言われたら…。

間違いなく絶望するだろう。所詮一方通行のファン心理とはいえ、そのように見られていたかと思うと、想像するだけで胸が痛む。

永野護は自分に絶対な自信を持ち、ファンのためと言うより自身が楽しむために描いている節があるので、そのようなことはまずないと思う。

それでも、『みんな大好き』さんが慟哭しながら大好きな作家を糾弾するのを見て、とても他人事とは思えなかった。
心に聖域を持つ人、神にも近い位置に作品や作家を置いている人には、共感できる話であると思う。

わたしにできることは、予想外の方向に発展した『SNS感想の自由』問題が収束することと、『キン肉マン』ファンの方々の心が少しでも安らかになることである。

ほんと、温かい飲み物とおいしいごはんを摂ってゆっくり休んでください…。

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