ヴェトナム系フランス人ギタリスト、グエン・レさんの音楽に癒される。
グエンさんの音楽に身をまかせていると、おのずと体がくつろいで、リラックスして、おれも東アジア人だなぁ、って微笑んじゃう。ヴェトナムの音階、ヴェトナムのリズム、ただしグエンさんは同時にビル・フリゼールやパット・メセニーやジミ・ヘンドリックスを経験してきたギタリストでもあって。ほんらい非和解的なはずのヴェトナム伝統音楽とジャズが、グエンさんの手にかかるといともたやすく融合してしまう。まさに魔法です。
グエンさんの音楽は聴き手を三角帽子やアオザイ、田んぼのカエルの声、中古のバイクが走る田舎道、素朴でひそかに手間のかかっているおいしい料理・・・そんなヴェトナムの世界にいざなってくれます。世界中が4拍子系のビートとドレミファソラシド音階のEDMに覆い尽くされかねないいまのような時代にあって、グエンさんの奏でるヴェトナムフレイヴァーな斬新音楽世界は貴重です。ローカルなものこそがインターナショナルになる。グエンさんの音楽はその良い例ですね。
Nguyên Lê。(b.1959)グエンさんはフランス人の両親のもとフランスに生まれました。なお、ヴェトナム人の40パーセントがグエンさんという苗字だそうな。
なお、グエンさんは他方で、ゴリゴリのジャズも演奏します。そっちも聴いてみたい人はYOUTUBEで探してみてください。
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