ウクライナのふたりの歌姫は『蚕』の歌を歌う。
ウクライナ音楽は、ロシア的なもの、ポーランド的なもの、トルコ的なものと混じり合いながら、ほかでもないウクライナらしさがかたちづくられているだろう。ただし、愛をもってていねいに聴き込んでゆかないことにはそのニュアンスを聴き分けることはぼくら異邦人には難しい。それでもいろんな音楽を聴き込んでゆけばなんとなくウクライナらしさが感じられてくる。
Flëur (フルール)ウクライナのオデッサ出身の Olena Voinarovska と Olga Pulatova のふたりのヴォーカリストを中心とした音楽グループ。Olga Pulatova は作曲、編曲を担当。どんな詩を歌っているのか気になって、ぼくはウクライナ語をわからないので、まずgoogle翻訳を使って、次に少しだけ訳語に手を入れた。
Шелкопряд
蚕
いつのまにかわたしは木の葉の上にいて。
わたしはわたしの人生を意味で満たす。
細い糸を紡ぐ。
わたしの隣の樹にはわたしたちがたくさんいる。誰もがみんな、蚕。
細い糸を紡いでいます。
【コーラス】
一滴づつ満たされてゆく海、緑まで。
そして砂。
砂粒が塊になった石。
永遠はきっととても長い。
わたしはわたしのできることをするだけ。
短い人生でわたしは絹を織る。
【コーラス】
一滴づつ満たされてゆく海、緑まで。
そして砂。
砂粒が塊になった石。
永遠はきっととても長い。
わたしはわたしのできることをするだけ。
誰かが宗教の網に巻き込まれる。
誰かは火星からのエイリアンを絶賛する。
細い糸を紡ぐ誰かが宇宙の秘密を発見する。
誰かが石の重さに苦しんでいる。
細い糸を紡ぐ。
【コーラス】
一滴づつ満たされてゆく海、緑まで。
そして砂。
砂粒が塊になった石。
永遠はきっととても長い。
わたしはわたしのできることをするだけ。
誰かが宗教の網に巻き込まれる。
誰かは火星からのエイリアンを絶賛する。
細い糸を紡ぐ誰かが宇宙の秘密を発見する。
誰かが石の重さに苦しんでいる。
細い糸を紡ぐ。
【コーラス】
一滴づつ満たされてゆく海、緑まで。
そして砂。
石は砂粒たちのなかで一緒に成長した。
永遠はきっととても長い。
わたしはわたしのできることをするだけ。
短い人生でわたしは織る、絹の糸を。
他にはなにをすればいいのか方法もわからない。
わたしは小さなワーム、
狂った世界が通り過ぎる。
そして、わたしたちは自分の手で作る、
無重力の薄い生地を。
美しさはあきらかでしょ。
【コーラス】
一滴づつ満たされてゆく海、緑まで。
そして砂。
石は砂粒のなかで一緒に成長した。
永遠はきっととても長い。
わたしはわたしのできることをするだけ。
短い人生でわたしは織る、絹の糸を。
彼女たちが生まれ育ち活動するOdessaは美しい街だ。In Odessa, Romance and Grandeur - Adventurous Kate
またOdessaには街の地下になんと長さ2500メートルとも3000メートルとも言われる石灰岩でできている世界最大のCatacombs(墓地として使われていた地下空間)があるそうな。
また、ウクライナは2015年の4月、ソヴィエト連邦時代の共産主義記念碑の撤去を宣言。これにてオデッサの街に建っていたロシア革命の指導者レーニンの記念碑は撤去され、あろうことかいまでは『スターウォーズ』のDarth Vader像が建っているそうな。