地下鉄で出会ったバングラデシュの少年。
きのうぼくは午後、神保町から都営地下鉄三田線目黒行きに乗ったところ、浅黒い肌で睫毛の長い目がくりくりした男の子と隣り合わせた。
ぼくは訊ねた、何年生?
かれは答えた、4年生。
ー学校、楽しい?
ーうん、たのしい!
ーなにが楽しい?
ー国語。
ーどんな読み物が好き?
ーイチゴジュース!
ーいや、飲み物じゃなくて読み物は?
ー忘れた。
ーおとうさんとおかあさんはどこの国の人?
ーバングラデシュ。
ー食べ物のおいしい国だよね、鯉フィッシュ好き?
ー???
ーあ、もう大手町だ。もっとお話ししていたいけど、またどこかでね。きみとお話できてぼくは楽しかった。
そしてぼくとかれはハンドタッチして、ぼくは大手町で降りた。