知恵ある人は理論の成立条件を知る
前に私は
教科書の二つの読み方|鈴木良実 (note.com)
を書きました。
こうした読みが必要になる理由を、もう少し掘り下げてみました。この問題の根底には
物理学の理論は理想化した世界で成立
つまり
現実とは違うモデル上の議論
があります。
このことを私たちは
忘れたり
見ようとしなかったり
考えなかったり
しています。しかし、この問題に向き合うと
現実問題で生きる知識
が多くなってくるのです。
さて、何故このような理想化を、意識しなくなるのでしょう。私の原体験は小学校の算数にあります。そこでは
指定された寸法の三角形を
定規で描く
という課題が出されました。これを定規とコンパスそして鉛筆で描くと
当然ながら誤差が出る
のです。しかし、このずれにこだわると
先生に〇をもらえない
ので、それらしき範囲で描いたものが
同じに見える
ようになっていきます。つまり、鉛筆の線の太さ、ノートとの接触による歪みを無視する。これができる子が「優等生」なのです。
つまり、学校秀才は
現実離れした理想社会で生きる
から、秀才になれるのです。
しかし、現実社会で生きる知恵は
理想社会と現実の突合せ
が必要になります。
理想社会での厳密な検討、その上で、実際に起こってい物事との突合せで説明ができる人が、知恵ある人でしょう。
この訓練は、大学で行うか、仕事の上で行うかは、人によるでしょうが、どこかで行う必要があります。