現在日本の問題点と解決法
昨日書いたアメリカの哲学議論の力|鈴木良実|note
とその前の日本的な概念の扱い|鈴木良実|note
について、考えると
現在日本の問題点
は
中途半端なアメリカ化
ということが、見えてきました。
つまり
アメリカ的発想:高度能力者の徹底的思考で解明したモノを使う
設計どおりの物作り 公差を認める
日本的な思考:皆が共有した「概念」に従ってモノを造り上げる
設計の不備は現場の手直しで修正 完全なモノを求める
の悪いところ取りです。
高学歴者の思考は詰めが甘く
現場を軽視し手直しができない
と言う状況です。
さて、この対策は、どうしたらよいでしょう。
私の考えでは、上記の2方式の限界を知って、上手く組み合わせる管理を行うことが、一番の解決です。その管理の下で、上記2方式の徹底的な実行を行います。ここで管理が必要なのは
両手法にも欠点がある
ので、それを上手くカバーしていく必要があるのです。
まず、アメリカ的な
高能力者の徹底的思考
については
そのような能力者が少ない
考慮の範囲外の現実問題がある
という問題があります。但し、以下の利点にも注意する必要があります。
技術などの進歩に早く対応できる
成功すれば効率よいモノづくりができる
一方、日本的な思考は
現場の修正でよりよいモノができる
理論的に甘い設計でも実用化できる
という利点があります。しかしながら、以下の欠点にも注意が必要です。
新しい状況への対応が遅れる
皆を納得させる為のコストが必要
手直しのコストが生じる
さて、これを「車生産」という事例で考えて見ましょう。
1970年代からの日米車戦争
壊れにくい日本の車(職人的仕上げ)の勝利
その後の日本の車生産合理化
アメリカ的設計精度の追求
電気自動車への転向
アメリカのベンチャーの活躍
という風に、
日本の「仕上げ能力」の強さ
と
アメリカの「新技術対応力」
がはっきり出ています。
なお、アメリカの社会では
淘汰原理を活用し
高能力者選別
を行っています。しかし、このような
不適切者は去れ
発想は
人材の使い捨て
に繋がります。
このような点も考えて
経営・管理能力の高度化
により、両者の活用法を考える方法が、日本社会の現状改善に繋がると思います。
経営の高度化は
社会の変化を読み適切な投資
人材育成を含む
を行うことです。そして、管理能力の高度化は
アメリカ的手法の限界を追求する
必要なら現場での手直しを入れる
現状の根本的見直しが必要なら経営陣に要求する
という3面があります。基本的な考えは
現状でベストな手法を選び
その手法の限界を心得
限界を超えると別の手を打つ
です。こうした
上位の立場での判断
を行う人材育成
が、我が国には必要だと思います。