物理学的方法論の限界
物理学の方法論を見直すと
多様な要素の絡む現実を
理論に合うように理想化して見る
作業の大切さがよく分かります。例えば、ニュートンの万有引力も
太陽系を太陽と地球の1対1関係
両者は大きさがない質点
と言う理想化の上で理解できます。
さて、このように現実を抽象化する見方について、私たちはきちんと訓練されているでしょうか?この問題について、考えた人は、どれほどいるでしょう。
確かに、物理学の世界は、しっかりした体系化が出来ています。物理学やその応用である工学は
理想化して概要をつかみ
近似精度を上げる
方法で、現実的な説明や予測を行います。太陽系の話なら、まずは太陽と地球の関係で概略の軌道を描き、それに月の影響を加味して精度を上げていきます。
しかしながら、このような体系化は、物理学だから出来ました。人間等の絡む、社会科学などでは、これが使えないことが多くあります。経営学で有名な「ホーソン実験」は、個人の事情などを無視して、環境要素だけで実験しようとしましたが、個人のやる気が強くて失敗しました。
このように考えると
物理学の理想化は上手くいった事例
多くは上手くいかない
と言うことを認識することは大切です。
その上で
学校で学ぶ理論の多くは
理想化された条件で成立
を心に置いて
理想化とは別の現実を見る
努力が必要になります。MBA教材も、一つのヒントになりますが、その上で現実の人間は色々な考え、価値観があると思って、対応することが必要です。