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お経の読み方

お経を読むと、色々な効果があります。これは、現在の読書の概念を超えます。しかし、よく考えると、私達が失ったモノが見えてきます。そこで、もう一度お経の読み方を、考えましょう。

私の考えるお経の読み取る内容は、以下の通りです。

  • 仏の世界に届くご真言

  • 私達に説く理屈

  • 仏が説く世界

  • 修行法の指導

これを大乗仏教の代表的な経典『法華経』で見てみましょう。法華経には、多くの比喩があり、それを通して

皆に仏の力がある

と説いています。当時は、比喩が重要な論理的説得法でした。

一方、お釈迦様が法を説く世界や、多宝如来の宝塔の出現、大地から湧き出る菩薩達などの、素晴らしい光景も描かれています。さらに、菩薩達に助けを求めるための『陀羅尼』も説かれていますし、最後には『普賢菩薩の姿を見る』修行法もあります。

私達の、本の読み方は

  • 論理的に主張を理解する

  • 登場人物の心に共感し理解する

などが重視されています。また現在は、メディアが進歩していますので、色々な場面は、想像しなくても、メディアが見せてくれます。しかし、これは当たり前のことでしょうか。

紙が貴重品だった、6世紀を想像してみましょう。当時は、法華経の一場面一場面を、絵に描くなどはとても贅沢なことでした。そこで

主要な場面を自分で想像する

修行法が大切になります。こうして、想像力を働かし

  • 仏の智慧

  • 慈悲

等の抽象的な概念を、自らのモノとする、瞑想法の修行が行われます。

こうした抽象的な概念は、私達は西洋文明の論理で学びました。しかし、それを行っている人に共感し、その世界に住み込み実践する。ここまでの徹底は、現在の科学的思考法では難しくなっています。

さらに、瞑想には

自らの中の仏の智慧を見いだす

と言う、法華経等の大乗仏教の実践、と言う側面もあります。

私達は、もう一度

メディアの補助なしで自力で想像する

力を見直す必要があると思います。

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