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人工知能についての神学的議論(6実現の注意 2024/3加筆改訂)
先日書いた
人工知能についての神学的議論(5仏の智慧を実現)|鈴木良実|note
では、仏の智慧の5側面持った「人工知能」を提案しました。
さて、従来の研究でこのような、方法についての議論があったでしょうか?
私は、社会科学の分野で「ワラスの輪」の発想が、一番近いと思います。
「ワラスの輪」の詳細は、ミネルヴァ書房の「科学論理の社会学:「ワラスの輪」というモデル」ウォルター・ワラス著、渡辺深訳にありますが、大まかに書くと下図の通りです。
![](https://assets.st-note.com/img/1672961432619-ujxdAQktTm.jpg?width=1200)
さて、ここで注意して欲しいことが2点あります。
ワラスの輪は回すとしても少数回だが人工知能なら多数回回す
全体の世界を造り、その収束を見る「法界体性智」が明示されていない
この2点が、社会科学研究の方法論としての「ワラスの輪」と、人工知能として実現するときの「仏の智慧」の違いです。
多様な体験情報を蓄積し、必要に応じてネット上を検索する。一方、理論的なモデル上での検討も行う。別の部門は、多様な生きた人々を描いたモデルの上に物語を描き、シミュレーションして、理論モデルとの間で整合を図る。こうしてできた知見を、実際の場面や、過去の事例に適用し、適宜修正していく。
ここでは、理論的なモデルも変化するし、物語的シミュレーションの世界も変更していく。こうした繰り返しを見て、収束を判定する。
こうした
多面的な観点でシミュレーションを繰り返す
方法が、新しい人工知能だと考えます。