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本当の反省

私達が反省するとき、普通は

ある行動と結果

について、ではないかと思います。しかしながら、反省する目的は

同じ失敗をしない

です。そのために

なぜそのようになったか

原因を明らかにする必要があります。そのためには

実際に起こっていること

にキチンと向き合う必要があります。

更に言えば

自分の考え方

に原因がある場合もあります。この場合は、意識しないでも自動的に動く、心の持ち方まで踏み込んで、反省する必要があります.こうした考え方の反省が上手く働くと

本質の対策

ができて

ますますよくなる

よいスパイラルが生じます。

このように、自分の心の歪みとの向き合いは、『天台大師の摩訶止観』にある、懺悔の方法があります。

まず人間は、放っておくと、以下に示す順の流れで、悪の道に入っていきます。

  1. 無知にくらまされ、煩悩に酔い、わけもなく自我を振り回し、自分のモノという考えに捕らわれ、妄想し迷い、むさぼり、怒り、おろかしく等で、全ての言動をなして、苦悩の現実に生存する

  2. 心の中は煩悩だらけなのに、悪い友に出会い間違ったことをあおられ、心を乱し、益々苦悩にはまる

  3. 内も外も悪いことばかりで、等々善の心がなくなり、善いこともなくなり、人のよいことに共鳴する心さえ失う

  4. あらゆる悪の言動を勝手放題に行い、やっていない悪は一つもない

  5. 現実に悪いことをしなくても、全てに悪い心を働かせるようになる

  6. 悪い心が昼夜をおかず連続して起こる

  7. 間違いを覆い隠し、人に知られないようにする

  8. 愚かにも自らを頼み、手当たり次第に悪いことをして、少しもはばかることがない

  9. 自らを顧みて恥じることなく、人に対して申し訳ないと思うこともない

  10. 因果のことわりを否定して、どうしようもない救いがたいモノとなる

この流れは、狭い視野でしか考えず、しかも同じような仲間としか付き合わず、反省しない人になる流れです。

さてこの流れを逆転させ、懺悔を正しく行います。手順は以下の通り、上の流れを10から1へ、一つ一つ直していきます。

  1. 因果の道理はくらますことはできない、歴然とあることを信じる

  2. 自らを恥じてきちっとけじめを付ける

  3. 悪の世界を畏れる、人の命は常なきモノ

  4. 自分がした罪悪を告白し、己の過失を覆い隠さないようにする

  5. 罪の行為を続ける心を断つ

  6. 菩提心を起こす

  7. 少しでもよいことをして、今までの過誤をつぐなおうとする

  8. 正しい教えを守ろうとする

  9. 十方の仏を念ずる、悪い友でなく仏と親しむ

  10. 罪悪の本性は空であると観る、自己中心的な考えには何の根拠もない

この考えは、因果の道理などで広く見て、自分の責任と向き合うことです。但し、自己責任となっても、仏様が助けてくださる。こうした心が大切です。


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