本当の反省
私達が反省するとき、普通は
ある行動と結果
について、ではないかと思います。しかしながら、反省する目的は
同じ失敗をしない
です。そのために
なぜそのようになったか
原因を明らかにする必要があります。そのためには
実際に起こっていること
にキチンと向き合う必要があります。
更に言えば
自分の考え方
に原因がある場合もあります。この場合は、意識しないでも自動的に動く、心の持ち方まで踏み込んで、反省する必要があります.こうした考え方の反省が上手く働くと
本質の対策
ができて
ますますよくなる
よいスパイラルが生じます。
このように、自分の心の歪みとの向き合いは、『天台大師の摩訶止観』にある、懺悔の方法があります。
まず人間は、放っておくと、以下に示す順の流れで、悪の道に入っていきます。
無知にくらまされ、煩悩に酔い、わけもなく自我を振り回し、自分のモノという考えに捕らわれ、妄想し迷い、むさぼり、怒り、おろかしく等で、全ての言動をなして、苦悩の現実に生存する
心の中は煩悩だらけなのに、悪い友に出会い間違ったことをあおられ、心を乱し、益々苦悩にはまる
内も外も悪いことばかりで、等々善の心がなくなり、善いこともなくなり、人のよいことに共鳴する心さえ失う
あらゆる悪の言動を勝手放題に行い、やっていない悪は一つもない
現実に悪いことをしなくても、全てに悪い心を働かせるようになる
悪い心が昼夜をおかず連続して起こる
間違いを覆い隠し、人に知られないようにする
愚かにも自らを頼み、手当たり次第に悪いことをして、少しもはばかることがない
自らを顧みて恥じることなく、人に対して申し訳ないと思うこともない
因果のことわりを否定して、どうしようもない救いがたいモノとなる
この流れは、狭い視野でしか考えず、しかも同じような仲間としか付き合わず、反省しない人になる流れです。
さてこの流れを逆転させ、懺悔を正しく行います。手順は以下の通り、上の流れを10から1へ、一つ一つ直していきます。
因果の道理はくらますことはできない、歴然とあることを信じる
自らを恥じてきちっとけじめを付ける
悪の世界を畏れる、人の命は常なきモノ
自分がした罪悪を告白し、己の過失を覆い隠さないようにする
罪の行為を続ける心を断つ
菩提心を起こす
少しでもよいことをして、今までの過誤をつぐなおうとする
正しい教えを守ろうとする
十方の仏を念ずる、悪い友でなく仏と親しむ
罪悪の本性は空であると観る、自己中心的な考えには何の根拠もない
この考えは、因果の道理などで広く見て、自分の責任と向き合うことです。但し、自己責任となっても、仏様が助けてくださる。こうした心が大切です。
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