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理論を使う人になれ
私達は、色々な知識を学んでいます。それがうまく使われると、大きな成果が出ます。しかしながら、知識の使い方を間違えると、大失敗をする場合もあります。
私はこの分岐点を
理論をうまく使う人
対
理論に使われる人
の違いにあると思います。西田幾多郎は
西洋哲学の思考で説明できる部分
それを含む全体
を旨く分けて考え
哲学思考でできるだけ詰める
その結果を使い総合的に考える
という発想で西田哲学を造りました。
また、昔システム工学の大家だった、京大の長谷川教授は、ある講演会で
ポジティブ・フィードバックの理論は
上手く使えば将来予測ができる
しかし
それが全てと思い込むと
世界滅亡などとんでもない話になる
という趣旨の話をされました。このように
自分が学んだ理論が全て
と思い込み、現実の社会の多様さ、複雑さに目を向けない人が
理論に使われる人
です。
一方
理論は道具として
現実の一面を詳しく解明
という使い方が
理論を使う人
です。長谷川先生の講演では
電車(新幹線も含めて)で1時間の範囲は
強い都市に弱い都市が吸収される
現象を、ポジティブ・フィードバックのモデルで説明されていました。
こうした理論知識を使って
説明できる部分を説明
という発想が特に現在は必要だと思います。