新しいモノを創る
昨日書いた、イメージの持ち方の議論から、今回は
技術的に新しいモノを造る
と言う問題を考えました。これは
前例のない新規の発明
が一例ですが、ソフトウエア開発でも
今まで適用無しの分野
への適用では、同じような苦労があります。
私の考えでは、このような時、大きく分けて二つの道があります。一つは、理論的な可能性を、実現につないでいく方向です。もう一つは、別の分野での前例を、大胆な類推で取り入れて、強引に前例として使えるモノを創る方法です。
後者の類推能力が強いと、多くのモノづくりで、成功する場合が多いようです。
さて、ここで大事なことは
理論的知識を積極的に使う
しかし理論的知識の限界をわきまえる
姿勢です。
~~で説明できる
しかし
~~の成立条件は~~
という発想で、知識で見通しを立てるが、現実の複雑性にも、同時に向き合って、適切な修正を加えることが重要です。
一般に新しい製品を生み出すためには、以下の3段階が必要です。
理論的な可能性を拓く研究段階
現実的なモノに仕上げる開発段階
適正コストで作る生産段階
この3段階を意識しないと、新しいモノの実用化で、失敗することが多くなります。特に、研究段階でのブレークスルーは、理想化し単純化することで、考えやすくなります。一方、開発段階では、種々の要因や、外乱を考える必要があります。この段階では、職人の名人芸が効果を発揮します。しかしながら、多くのモノを生産する場合には
職人的な制作ー>平均作業者製作
と切り替える必要があります。
例えば、飛行機の発達を考えると、まず
理論的には
凧のように推力を揚力に変える
可能性が議論されました。しかしながら、実際に飛ぶためには
グライダーで訓練した
ライト兄弟の名人芸
が必要になりました。
さてこれが、製品化するためには
制御しやすい補助翼
等が発明され、量産体制に合うように、色々な改善が加えられていきました。
このように見ていくと
理論的な知識で突破
その後現実対応での検討
の両方が必要です。知識は重要ですが、それだけでは、モノとしての完成までいきません。