![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/117419729/rectangle_large_type_2_bc29e446833dcc9ff18b26fe54e084e6.jpeg?width=1200)
手法の限界を見た管理
昔ソフトウエアの開発には、大別して
直線的に進むウォーターフォールモデル
色々と試行錯誤するスパイラルモデル
の二つの方法がありました。なお、両者は典型的な動きで
ウォーターフォールモデルでも手直し修正あり
という場合も多くあります。ウォーターフォールモデルは、アメリカのモノづくりの
技術者の検討重視
という観点から、相性が良く、アメリカのソフトウエア工学の成果として、日本にも輸入されました。
一方、日本のモノづくりでは
現場の力で手直し
が重視されていたので、ウォーターフォールモデルを使っても、現場での修正があり、状況によっては実質
修正で完成するスパイラルモデル
という状況もありました。
さて、今回は
スパイラルモデル(試行錯誤)の使い方
について、もう少し考えました。まずは、以下の二つの使用法の区別が必要です。
概要が見えているが細部の調整用
要求が不明確なので作りながら完成度を上げる
1.の概要がある場合は、更に二つに分かれます。設計図的な完成度の高いモノなら、ウォーターフォールモデルの手直しになります。一方、前例や類推の効くモノから作り出す場合は、スパイラル的に完成度を上げていく必要があります。
さて、2.の要求が不明確な場合でも
何らかの叩き台
が必要です。前例があればよいのですが、無ければ以下のような手段で作ります。
一般論から導く
類推を効かせて他のモノを使う
1.の一般論の一例として、知的生産の一般図を挙げておきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1695882686326-S5BzClOLpu.jpg?width=1200)
この図は、一般的過ぎと思う人も多いでしょう。しかし、こうした切り口だけでも、検討が進みました。
一方、類推の活用ですが、例えば
物流のリサイクルを考える時
水の循環システムからヒントをえる
等の発想があります。
しかしながら、こうしたスパイラル手法には
モデルが収束しない
危険性があります。
例えば
色々な立場での要求が増えまとまらない
と言う場合があります。また別の状況では
相矛盾する要求
で片方を満たすと、他方が崩れる。この状況で、右往左往する場合もあります。飛行機を設計するとき
遠くまで飛びたい
高速を求める
多くの人を乗せたい
等の要求を全て聞いていると、どんどん大型の飛行機になってしまいます。
そこで、エンジンの力などの制限があると、大きさが決まり
客席数と燃料搭載
は、片方を増やすと、もう一方が減っていきます。
こうした、要求の収束の見通しなしに
とりあえず叩き台から議論
と言う発想は、失敗に繋がります。
こうした
手法の限界
を知り管理することが、指導者の役割ですが、悲しいかなこれをできる人は少ないです。さらに言えば、この大切さを知らず
よそで成功したからここでも
という人もいますね。