分けたらなくなる
西洋文明の科学は
理想化して因果関係を見抜く
方法で、大きな力を出しました。しかしこうした手法は
分けることで見えなくなる
危険性があります。
そこで、東洋文明の発想をもう一度見直しました。
天台大師の「摩訶止観」から
十乗観法
が、こうした西洋文明的見方に対し、解毒作用があると思います。これは
不思議の境地を観ぜよ
慈悲の心を起せ
善く巧みに心を安んじる
法を破すること遍かれ
通塞(得失)を識れ
道品を調適せしめよ
助道をもちいて対治せよ
次位を知れ
能く安忍せよ
法愛無からしめよ
と言う十段階ですが
1.不思議の境地を観るが主体
であって、2.から6.は、不思議の境地が、徹底して観えないときの対策です。7.は「観えない」への対処療法です。
8.~10.は、「不思議の境地が観える」ようになってから失敗しないように、心得るべきことです。
ここで言う、不思議の境地は
仏の力で造った法界全て
です。もう少し具体的に言うと
色々な衆生が多数存在し
その因果関係が複雑に絡み合う状態
を観ると言うことです。これは、西洋文明の社会学が
理想的な人間の関係
平均値などでの議論
等手法で、複雑さに対処しているが、仏の力は
一人一人を我が子のように観る
ことができます。こうした
凡人にとって不思議な境地
を観る力を信じ、引き出すのが摩訶止観の説く瞑想法です。
さて、こうして衆生一人一人を観ると
自然に彼らに対する慈悲の心が起こる
はずです。これが起こらないなら
人を救うための仏の智慧を得る
と言う動機付けまで戻って、考え直す必要があります。
また、法界全てを観れば
心を安んじるし
今までの教えにこだわらず
間違った修行を直す
こともできるはずです。これができないならば
2.~6.を意識して対応
しなければなりません。
慈悲の議論にもありますが、総合的に取り込み
動機付けと実行
の作用なども活かすべきでしょう。
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