見出し画像

日米の銃の違い

アメリカは

銃とともに歩んだ国

と言う話はよく聞きます。しかし、歴史的に見れば、16世紀~17世紀の日本は

世界で一番鉄砲を使った国

でした。長篠の戦いの鉄砲三千丁は、当時のヨーロッパでもない、大規模な銃の使用です。

さて、この鉄砲の使用について、日本は独特の道を歩みます。一つの例として、宮本武蔵が五輪の書で

鉄砲は弾の飛び方が見えない点が弓矢に劣る

と延べています。これは

一発一発を確実に当てる
外れたら修正する

という使い方を示しています。この考え方は、現在の軍事常識の

銃弾の多くは当たらない
多くの兵士は弾をばらまくだけ

とは異なった発想です。ある研究者が

長篠の古戦場を調べたが鉛が出土しない
従って
長篠の戦いで鉄砲の運用はなかった

と言っています。しかしながら、当時の弾薬の入手苦労を考えると

できる限り命中させる
そのため
馬防柵で敵を止めて
そこに集中射撃

と言う工夫をして、外れ玉がほとんど無い運用を考えると、土に埋もれる鉛玉がほとんど無いのも解るでしょう。

こうして

確実に命中させる
失敗したら
修正する

という銃の使い方が、末端の足軽まで行き届いていました。

さて、この発想は第二次世界大戦まで、続いています。

日本の陸軍歩兵が多く持っていた、三八式歩兵銃は、一発一発撃つ、旧式でしたが

多くの歩兵は狙い撃ちで命中

させました。一方、アメリカ軍には、連続して弾がでる、自動小銃が行き渡っていましたが

多くは弾をばらまくだけ

でした。

なお、アメリカ軍は、大砲などでは、レーダーやアナログ計算機などの、高度技術を使って、最初の狙いはかなり正確になりました。しかしながら

個人の技である修正は下手

な特性は、最後まで残りました。

こうしてみると

事前の計画は上手
しかし
現場対応の修正は下手

と言うアメリカ文明の特性が見えますね。

いいなと思ったら応援しよう!