日米の指揮官の発想
太平洋戦争における、日米の指揮官の違いは
経営的判断の違い
として現在の教訓になります。そこで、今回は日本の敗戦を決定づけた、ガタルカナルを巡る戦いでの、日米の指揮官の発言を、見ましょう。
まずアメリカの機動部隊指揮官のキンケード少将は
「日本海軍のパイロットの腕も落ちたものだ」
と言い、日本海軍の駆逐艦隊指揮の田中頼三少将は
「(敵艦の砲撃は)照準はいいが、修正がまずい」
と言っています。
この二つの発言は、同じ少将でも、視点が全く違っています。つまり
キンケード発言は長期の見通し
田中発言はその戦場での判断
です。つまり、キンケード少将の判断は
日本海軍は彼から益々弱くなる
と言う見通しが含まれ
日本の敗戦を確定
と言う長期的な視野で評価できます。
一方、田中少将の発言は
その場での生き残りの情報
と見るべきでしょう。
これを、現在の経営論で見れば
経営者や上級管理職は長期ビジョンで判断
と言うことです。現在の利益も大切ですが
将来的にどうなる
と言う判断が必要です。今回の話は
競合他社は個人プレイに依存している
しかし
その個人の技量が落ち後継が育っていない
と言う状況でしょう。
さて、田中少将の見たモノを、もう少し生かすことを、考えて見ましょう。
そのため
アメリカ軍の照準が上手なのはなぜか?
修正が下手なのはなぜか?
と言う、理由を考えましょう。答えは
レーダーなどの設備が充実し照準は上手
個人の熟練がないから修正は下手
です。そこでもう一歩議論を進めると
アメリカは設備の充実で戦力を強化している
そのため
今後とも強くなっていく
と言う結論に繋がります。
こうした、将来への見通しを持つことが、経営者や上級管理職には必要です。