成功時の反省がないとつぶれる
前に
会社のつぶし方|鈴木良実 (note.com)
を書いたとき
過去の成功への過剰依存
が致命傷になると書きました。
今回はその一例として、昭和50年代から平成にかけての、ある情報処理システムの栄光と凋落を、あげておきます。
その部門は、昭和50年代に
マイクロプロセッサ等で新処理
を取り込むことにしました。しかしながら、その部門というか、会社では
特にソフトウエア開発の経験がない
状態でした。そこで出た方針は
若い有能な者に勝手にさせる
という方策です。そして、その方針は
標準的なソフト製品を造り
多くのお客様へ展開
という方針で
平凡な能力の作業者の戦力化
短納期化
に成功し、受注量の大幅拡大を達成し
花形部門
に躍り出ました。
しかしながら、IT技術の高速な進化は
標準的なハードの高性能化
汎用ソフトの高機能化
汎用ネットワークの利用
などで、今までの製品の競争力はなくなっていきます。典型的な事例では
納入後10年でのリプレースで
製品の売値が1/10になる
というような状況になりました。つまり、前の成功は
技術的な限界での
職人芸の周辺展開
での突破だったのです。これは
標準技術での生産性向上
に負けます。今でいう「ガラパゴス技術」でした。
また、昔若い時に活躍した技術者も、中堅どころになると
指導力の欠如
などが目立ってきます。こうして、この部門は
過剰人員を抱えたお荷物部門
に凋落しました。
現在の後知恵ですが
昭和後期の成功要因
その成立条件
を管理職たちがきちんと把握し、次の手を打たなかったことが、敗因だと思います。
前に書いた
管理職の面談手法の1提案|鈴木良実 (note.com)
での
成功時の反省
は、管理者・経営者こそ行うべきことだと思います。