歴史を学ぶなら易経を学べ
中華文明および日本の文明に
易経
が与えた影響は大きいですが、悲しいことに現在の人は
易は占いの道具
と言う風にしか見ていません。確かに、私も八卦での占いをし、易経を見た上で判断をします。
しかしながら、易経は四書五経の一つであり、昔孔子が
韋編三度絶つ
ほど読み返した教えです。私も、70を過ぎて、易経の世界観がなんとなく見えてきました。
例えば、易経は「乾坤」の二つから始まります。これは、天地であり、日本書紀の天地開闢神話にもある
澄んだモノが天・・・理
濁ったモノが地・・・実
と言う関係で、先に天、その影響で地、と言う流れが見えてきます。
その後は、色々な物が象徴的に出てきます。例えば
上り詰めれば困る
困れば下におり井戸に集まる
井戸は革めないと濁るので革命
と言う流れです。なお、革の卦には
君子豹変
という私たちが口にする言葉もあります。
しかしこれも、易経をしっかり読むと
九五 大人虎変
上六 君子豹変 小人革面
と言う流れがあります。つまり
大人は革命の時を見て生き方を変える
君子(有能な官僚)は革命成立後に新体制に従う
小人は訳も分からず従う
と言う変革時の対応を示しています。
現在、私たちは西洋文明の影響を受け、古代ギリシャの哲学、ローマの法学、そしてルネサンス以降の科学的思考などの影響を受けています。
しかし、中華文明の影響下では、これが四書五経であり、日本にはこれに仏教経典学が加えて、世界観や因果関係の模範としていました。平安後期か鎌倉時代に出来た足利学校でも「易経を学んだと」伝わっています。
当時の人の世界観は、易経の影響が大きかったと思います。
このように考えると
歴史を学ぶなら
易経を学べ
は適切な教えと思います。