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過去問を解く意味
資格試験の勉強法に
過去問を解く
があります。この効果について、一つの論拠は
過去問の類題が出題される
可能性があります。確かに、出題側の心理として
新規問題を考える手間は大きい
ので
過去問を少し変えて出題
は、効果的な手段です。また、試験実施の立場で
ある程度の合格率を維持
という「政治的事情」があり
一定の過去問利用率
というガイドラインがある場合もあります。
しかしながら、過去問を解くことで、身につくモノは、これだけではありません。問題を解きながら
出題者の想いを知る
ことも重要です。例えば、社労士試験の、令和5年の過去問では
<出題>
下記のとおり賃金を支払われている労働者が使用者の責に帰すべき事由により半日休業した場合、労働基準法第26条の休業手当に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
賃 金:日給 1日 10,000円
半日休業とした日の賃金は、半日分の5,000円が支払われた。
平均賃金:7,000円
<正解>
選択肢5 使用者が休業手当として支払うべき金額は発生しない。
<例終わり>
<参考 労働基準法26条>
使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。
<参考終わり>
ですが、この答えには、労働基準法の精神である
基準法で決めた処遇は最低限
それ以上使用者が支払うのは当然あり得る
を理解していれば、平均賃金の60%という条文に縛られることはないでしょう。こうした法律の基本的な発想を知ってほしい、このような出題者の思いが見えてきます。
更に進めば
自分が出題者なら
という発想も出てきます。
過去問を読みながら、自分が出題者の心境になる。ここまで行けば
新しい問題へも対応
出来るようになるでしょう。