AIの失敗事例第5世代コンピュータ
現在では、記憶している人も少ないでしょうが、1980年代に第5世代コンピュータ・プロジェクがありました。第五世代コンピュータ - Wikipedia
このプロジェクトは、計画当時の1982年頃は
世界最先端の人工知能マシンを開発
と注目を浴びましたが、終了時の1992年頃には
主流外れの無駄
と言う運命をたどりました。
さて、ここで
このプロジェクトは
何故失敗したか?
について
現在の人工知能を踏まえて
考えました。
私は、1975年に人工知能関連で修士課程を終え、その後もソフトウエアの仕事に携わり、AI学会も創立年度に入会しました。そこでの反省ですが
周辺技術の進歩を甘く見た
事が、一番の問題点だと思います。これと関連しますが
ネットワークのAIと言う発想がなく
大型計算機で抱え込むAI
の発想しかないのが、大きな要因です。これは
第5世代コンピュータプロジェクトは
専用のデータベースマシンを開発
現在のAIはネット上の情報を探し回す
と言えば、よくわかると思います。
また、このプロジェクトの大きな売りである
人工知能言語Prolog
に関しても
実用的なC言語とその子孫
に負けてしまいました。これと関連して
ハードウエア技術の急速な進歩
特にパソコンなどのダウンサイジング
この分散した資源のネットワーク化
への対応も遅れました。
この問題に関連して、当時進んでいた
NP完全など計算量に関する研究
に関しても、関心が薄かったように思います。
まとめますと
第5世代コンピュータ・プロジェクトの敗因は
ネットワーク技術の進歩
パソコンなどのハードウエア進歩
等周辺への配慮なし
ではないかと思います。
しかし、この話
日本の技術のガラパゴス化
と言う風に見ると、色々なところで起こっているように見えます。自分たちで抱え込み、それだけで完結した良いモノ、と言う発想でよいのでしょうか?
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