「空気」の解毒剤「水」を差す
日本の意識決定には、「空気」の力が大きいと、今まで説明しました。しかしながら、前にも書いたように
「空気」は暴走
します。これに対して、山本七平は
水を差す
知恵が日本にはあると、書いています。
私は、この意見に賛成ですが
「水」とは何か
という説明が、山本七平には、うまくできていない、と思います。
そこで、今回は
「水」
の正体について、私の意見を述べておきます。
簡単に言うと
「水」の正体は(「空気」を破る)現実体験
です。
「空気」は
スローガンに多くの人が
納得したと思い込む
状況で威力を発揮します。この解毒には
強烈な事例で壊す
方法がよいのです。
例えば、幕末の攘夷思想は、強烈な「空気」でした。しかし、その急先鋒の薩摩と長州は
イギリスなどとの戦争
での強烈な敗北
で
攘夷を諦め
開国路線に舵を切ります。
このような
燃えた「空気」を鎮める
強烈な現実体験が「水」
というのが私の考えです。
さて、この「水」が上手く働かなかったのは、第2次大戦の日本です。
私の考えは
ミッドウェー敗北時に
正直に海軍が謝罪する
ことが行われれば
一気に熱狂が冷め講和
があったと思います。当時の戦力から言って、海軍が
主力空母4隻も失えばもう終わり
と国内に「水」をかけて、熱気を冷ますことが、後知恵ですが、大分ましな敗戦になったでしょう。
この教訓は
「空気」の熱で動くとき
に起こる
障害・失敗を隠す動き
が、大失敗に繋がると言うことです。多くの会社が潰れたとき
まだ巻き返せる
と現実に目をつぶっていて、泥沼に嵌まる例が多いですね。
なお、山本七平は
「空気」の熱狂が起こる前に
現実を突きつけ
「水」を差して冷ます
例を挙げています。これは、大事な知恵ですが
石橋を叩きすぎて機会損失
の危険性もあります。何事も
バランスが大切
です。
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