すず太郎総理の日本改造:第1話「日本ドーム化計画」
20XX年、政府は支持率の下落を食い止めるべく、新たな試みを見出した。
「(しゃべれる)犬を総理大臣にし、党名も『自由犬種党』に変更する」
という、あくまでも国民を煙に巻くためだけの作戦に打って出たのである。
この物語は、新総理すず太郎が国民に突っ込まれながらも、適当に新たな施策を打ち出す、完全にふざけたストーリーである。
※この物語はフィクションですが、一部すず太郎が「実現したらいいな」という願いも込められています。温かい目でご覧下さい。
チワワ秘書:「それではこれより、すず太郎総理により所信表明演説を始めます」
すず総理:「え~、私は、何となく棚ぼた的な感じで総理になりましたが、なったからには日本を良くしたいな~って思ってます。
まずは、最近日本が異常気象に悩まされていますので、それを解消するために『日本ドーム化計画』を進めたいと思います!!(何となくかっこよく決まった♪」
記者A:「具体的にはどのような計画なのでしょうか?」
すず総理:「(は?具体的?もう名前でわかるじゃん・・・。)
具体的には『日本をすっぽりドームで覆うんです。そうすれば台風も来ないし、気温上昇も全国的に管理できるし。ちなみにドームにはソーラーパネルを貼り付けますので、燃料問題も解消です!!(やべー、これで超支持率UPじゃん)」
記者A:「しかし、そうすると飛行機で海外に行けなくなるのでは?」
すず総理:「(あ、やべー、そんなの考えてなかった・・・。)
そこはですね、ドームがパカッと開きます。時間決めて開けといてもいいですし。開閉式のドームってあるでしょ。あれあれ。」
記者A:「ちなみに総理は気温の管理とおっしゃいましたが、これは具体的にどのような?」
すず総理:「気象庁が管理します。天気予報でお知らせ出来るので、明日の服装選びもバッチリですね♪」
記者A:「そうすると全国一律の気温になるということでしょうか?日本の四季が失われてしまうような・・・」
すず総理:「(あ、それはそうだ。四季は大事だ。すず太郎は風情が分かる犬だもんな)。
確かに。私は国民の意見に耳を傾ける総理を目指しています。そこは記者さんの意見を尊重して、日本全体ではなく県単位でドーム化を実行します。結果的には日本全体をドームにすることと同じですから。」
記者B:「そうすると飛行機の国内線問題は出ませんでしょうか?」
すず総理:「(あ、確かにね。でもみんな飛行機飛行機うるさいなぁ。)
わかりました。じゃあ市とか町とかにしても一緒なので、もう家単位でドーム化しよう!!(もうそろそろ会見終わりたいな。二本足で立つの疲れてきたし)」
記者B:「それってドーム化しなくてもいいのでは・・・」
すず総理:「(はっ!!確かに!! ドーム被った普通の家ってことじゃん。やばい・・・。)
わかりました。ではこうなったら、全国民が頭にドームを被りましょう!!
よく海外で熱帯魚とか見るときに、海の中で被るあれ!!
そうすれば日本全国ドーム化と一緒の効果が得られます!!」
記者A・B「いやいや、それはもはや全くの別物ですよ!!全国民がカプセルみたいの被って街中歩く姿が想像出来ますか!!」
すず総理:「(いや、想像も何も、やればわかるじゃん・・・)」
記者A・B:「しかも費用の問題もありますし、とてもではないですが義務化は難しいと思いますが、総理の考えをお聞かせ下さい!!」
すず総理:「(うーん、答えても揚げ足取られるだけだよな。もう無理!!)」
チワワ秘書:「それではこれで、すず太郎総理の所信表明演説を終了します」
記者A・B「ちょっと待って下さい!!総理!!総理!!」
この後、すず太郎総理は強行採決に踏み切り、「全国民カプセル法案」として
①国民全員がカプセルを被ることを義務化
②(お洒落なので)同時にジャンピングシューズ(ドクター中松氏考案)を履くことを義務化
を国会で採決してしまいました。
国民からの猛反発は相当なもので、支持率は一瞬ゼロに近づきましたが、時を同じくして世界中で未知のウイルスが蔓延し大混乱に陥る中、日本だけはこの「全国民カプセル法案」によってウイルス感染を防ぐことができ、世界中から賞賛されることとなりました。
よって偶然の産物ではありますが、すず太郎内閣の支持率はV字回復をとげ、すず太郎総理による日本改造計画が始まるのでした。
つづく