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心のカメラ
秋が深まる折柄になると、日が暮れるのが早いせいか、
ちょっとしたことで心が揺れるわたしはすこし、
沈んだきもちになる。
でも、
言い換えてみれば、ほんのちいさな出来事で、しあわせにもなれる。
夕暮れ時、ちらと目をやった窓には、
赤紫色の夕焼けがうつっていた。
ふわふわと綿菓子みたいな雲にかかる、甘いソースのような夕焼け。
五階からみるそれは、高い建物がなく視野が開けていて、
あたたかな世界のようだった。
いそいでかばんの中のスマホに手をのばしたけれど、
もったいない。
性能の良いレンズを通すより、視力は悪いはが自分の目で見たほうがよい。
わたしの心のカメラは、
刻一刻とかたちをかえ、色が濃くなっていく景色を離さない。