笑顔まんまる焼き
うちの一大イベント、お好み焼きパーティ。
大阪人でもなければ広島県民でもないが、
3人家族の我が家はみんな、お好み焼きが大好きだ。
キャベツがたっぷり、豚肉がこんがり、生地がふわふわ。
ごはんと一緒に、炭水化物のオンパレードでいただきまーす!
今夜のメニューお好み焼き!と決まると、各自それぞれの任務を全うする。
父はビールを冷やす。冷蔵庫格納よし!
母はキャベツをはじめ、具材を刻む。
うちではちくわが必須。
歯ごたえが絶妙に良いのだ。
そして私は、ホットプレートをセットし、
母が切った具材を粉と混ぜ合わせる。
実は私が一番責任重大か?
いざ調理開始!
父が丁寧に豚肉を焼き、母が生地を伸ばす。
ここで我が家流アレンジ。
真ん中にくぼみを作って卵を割り入れ、チーズを散らす。
卵とチーズの組み合わせが嫌いな人なんて、聞いたことないよね。
私はというと、ぐっとこらえて見守る係りに徹する。
手持ち無沙汰じゃないよ?
目線を鉄板に一極集中。
「そろそろちゃう?」私が母に伝達すると、
「はいよ」と母がヘラで返す。
最大の見せ場が意外にもあっさりとしているのは、それだけ我が家にお好み焼きが定着しているということ。
反対に、失敗したときの方が割と盛り上がったりする。
焼けるのを待ちわびながら、
一家団欒で過ごし、おしゃべりするのが楽しい。
私は現在、実家を離れて一人暮らしをしているので、家族で食べるご飯が嬉しい。
父と母も、私の顔を見ながら食事できることが嬉しいようだ。
さあ、焼き上がり。
ソースをたっぷりかけて、あつあつをほおばる。
舌をヤケドすることなんてしょっちゅうだけど、
そんなことよりも優先したい味がある。
時間がある。
3人の表情がゆるんで、
やっぱりみんなで食べなあかんなあって納得して。
お好み焼きとおんなじように心がまあるくなって、幸せな気持ちで満たされる。
やっぱり、うちのお好み焼きは世界一。