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菊の花が泣いた

祖父が亡くなった。
それは、突然のこと。

そしておじいちゃんは、お骨になって
私のおうちに帰ってきた。


初めての、同居生活。
生前、おじいちゃんのお家は近かったものの、
離れて暮らしていたから。
毎日のお膳、お水、お線香。
リビングに遺影があり、ずっと私のことを見ている。


これからおじいちゃんは、
青く広い空が広がる下で、仏さまのお弟子さんとして
旅に出るらしい。
大いなるものに抱かれて、いざゆかん、修行の旅。
私が小学校に入る前、おじいちゃんと行ったお散歩は
曇り空だった。


お天気がいい方が、気持ちがいいねえ。
三途の川を渡り、おじいちゃんは、仏さまになるんだねえ。
今までありがとう。でも、
なんだかさみしいね。

まぶしいお日さまみたいな色をした菊の花びらが、
勢いよく散った。
まるで、号泣するかのように。

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