自然に対して心をひらけば
外に出て、遠くの山をぼーっと眺める。
紫幹翠葉に心奪われ、なんだか気力が湧いてくる。
ああ、自然っていいなあ。
自然の魅力に取り憑かれたのは、コロナがきっかけかもしれない。
職場では、テレワークが始まり、
パソコンひとつあれば仕事ができる!ということで田舎の実家に帰った。
朝。
小鳥のさえずりで目が覚めるって、なんて素敵なんだろう。
近くの学校の校庭に、大きな木があり、そこにはさまざまな種類の鳥さんが集まっている。
都会にいれば、ゴミ収集場のそばのカラスや、
駅前のハトしか目に入らなかった。
まるまるとしたスズメや、
詳しくなくてわからないけれど、しっぽが黒くて長い小鳥。
一度だけだけど、キジも私の前に現れてくれた。
お天気がいいと、近くをお散歩した。
風で季節を感じられるのは、久しぶりだった。
マスク越しにバラの香りを味わったり、
すすきがしなっていたり。
五感で自然を味わった。
夜になると、空を見上げ、星々を眺める。
お月さまは、目玉焼きのようにまんまるだったり、
三日月の口でにっこり笑ってくれたり、
いつも私に寄り添ってくれた。
自然は、こちらが心を開けば、
多くのことを与えてくれる。
心を穏やかにしてくれる。
そして、私の体にも、四季があるのだなあと感じさせてくれる。
心が健康だと、
自分のことを好きでいられる。
余裕をもって、相手に接せられる。
気力がみなぎって、前向きになれる。
コロナによって、失ったものも多いけれど、
それを上回るくらい、価値のあるものを得たと思う。