自分のイラストを客観視できますか？
何年経っても絵が上達しない人は上手い絵と自分の絵の違いが分からない、自分では上手く描けていると思っているから、という意見を聞いたことあるけど、その真偽はさておき、そもそも上手い下手に関わらず、絵描きはみんな自分のイラストを客観視出来てるんだろうか、という話
自分が作ったものが好きであることと、自分を過大評価する事の違い
私はイラストに関わらず自分の作ったものが好き。自分が好きにならなくてどうすると思ってる(SNSとかで自分の作品が評価された経験自体があんまりないので需要は自分だと持ってる)
自分が作ったものは拙い所があっても愛おしい、だからって「下手でもいい、上手くならなくていいや」となるのもなんか違うし、足りない実力を誤魔化して「私凄くない？」って悦に浸るのはもっと違うと思う
そういう人に足りないのって「上手くなったら、出来ることが増えたら、もっと楽しくなるだろう」「苦労はしたけどやりたいことが出来た、嬉しい」そんな気持ちなんだと思う
「上手くなりたい」が「認められたい、褒められたい、他人を見返したい」そんな気持ちに紐づけされてるんじゃないかなと思う
そもそも”上手い”ってなんだろう
そもそも「上手くなりたい」って言っても、どうしてそうなりたいのか以前に上手いの定義が分からない。上手いの定義は人それぞれで目指す物が違うなら、「上手い下手」を語るのは結構的はずれな気がする。目指すものがあってそこに近づけてるか、そうでないかで考えたほうがいいのかなと最近の自分は思うようになった
そもそも絵を描く目的が人によって違うよね
SNSでトレンド意識しすぎて、どこかで見た感が強い見た目がきれいなデジタルイラストを発表して、ドヤ顔気味の人とか見ると、ちょっとイラっとはする、でも自分がそうなりたいと思わないのに、ほんのちょっぴりでも羨ましいという気持ちがあるんだろうと気がついてショックを受けたり
でも自分がイラストを描く目的とそういう人達のそれとはぜんぜん違うよね。私は何かを表現できたり、描きたい物が描けた時の楽しさを味わいたいから上手くなりたいけど、その表現したい事や描きたいものがないから描けないでいる
3D人形やデジタルツールの便利機能で体裁を繕って、悩んでるふりして、自分に酔ってる人がいても、絵を描く目的が違うんだから気にする意味はない、「大変ねぇ」って流して自分のやり方で頑張ればいい
承認欲求はなくすより付き合い方を考えたほうが幸せ
上手い下手関係なく、自分のイラストを客観視出来て、自分の実力がどれくらいかを把握出来てる人って少数派じゃないかなと私は思う
イラストの良し悪しって、人それぞれで分かりづらいし、SNSでいいねを気にして、トレンド気にして、他人の絵に「絵柄が古い」なんて言ってる人はその時点で客観視出来てるようには思えないけど
自分が描きたかったものを描けて、満足して気に入ってるものと、他人に求められるものが違うことは多い
他人が求められるものを考え、上手く自分らしさとバランスをとって取り入れられればいいけれど、他人受けや需要、他者との比較をするうちに逆に客観性が欠けていっている事はあるように思うし、「自分の絵は上手い」って思う気持ちは誰にでもあるんじゃないかと思う
ただ、そういう気持ちをうまく飼いならしてるかそうでないかの違いなんだと思う
人に見てもらいたいという気持ちは上達や楽しみのモチベーションにはなると思うし、逆に人に見せずに、自分の中にあるイメージを表現することを楽しむのも良いと思う
SNSの普及か今まで以上に絵を描ける≒すごいことと褒めそやされるようになり、イラストはコミュニケーションのためのツールと捉えてる人も多く「絵を描いてもネットに上げない人の存在が理解できない」と本気で思ってる人が多い今の世の中、自尊心が高い絵描きが目につきやすく、そういう人に囲まれてると自ずと影響を受ける事は多いと思う
多少なら自惚れたって良いじゃない。
上達することを忘れず、自分が思う実力と実際との差を誤魔化しや体裁を整えて、無理やり埋めたりしなければさ
とはいえ多少の範囲に収まらない人も多いのが現実で、特にSNSのイイねなどの数は人を狂わせる怖さがある。
「描いたイラストがXで数百イイねがついた」「取り扱いジャンルやSNSを変えたらイイねが増えた」とか、急にイイねが増えて、そういう事に言及した記事を書いたりしだしたブロガーさんの記事が少しづつおかしくなっていき、ついていけなくなって離れたケースがちょいちょいあったので、イイねの話をしだす人がいるとちょっと警戒してしまう
自分のイラストを客観視って思ったより出来ないものだと思うから、その前提で上手く承認欲求や他者と比較してしまう気持ちと付き合ったほうが良いんじゃないかなという話でした