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空間認識能力が高い人は絵の上達が早い理由を考察してみたよ

絵の練習をしてる人の中で、空間認識能力や立体把握能力が高い人は絵の上達が早い、才能のように言われるので、そんな魔法みたいな力かな?とこれらの能力が高いとどうなるかを考察してみました

先に結論を言ってしまうと、空間認識や立体把握能力が高い人と低い人では、絵の上達に必要な考え方が全然違う、確かにこれらの能力がある人の方が上達しやすいけど、考え方を変えたり、能力を鍛えることでそれらの能力が低い人にもチャンスはあるということ


一応前提としては一応私自身は空間認識能力も立体認識能力も高いってほどではないけどそれなりにはあるという感じです

私は目の焦点が合わせづらく目が疲れやすい”隠れ斜視”で、そのせいか距離感などは目より自分の感覚の方をあてにしてます

目が痛くて開けていられない時に顔を洗いたいとなった時、洗面所まで行って立ち位置で一瞬周囲を見たら、目を閉じても手探りせずに普通に蛇口捻って、ハンドソープのポンプ押せたり普通に出来ます

これらを考えると空間認識能力はそれなりにあると判断してもいいかなと思います(でもやっぱり目が疲れにくい人が羨ましい)

あと立体認識に関しては、以前に羊毛フェルトや粘土等で立体を作ったりしてたのと

大人の塗り絵で影が塗りやすくなる方法を色々考えていて、一番楽になったやり方が、線画を頭の中で頑張って3D化して光源を設定してシュミレーションしてみるという方法で

精度に関しては世辞にもいいとは言えませんが(アップデート必須)、頭の中で3Dが作れるのはそれなりに立体把握能力があるということなんだろうなと思います

空間認識能力の高い人は絵の練習に暗記や模写を重視しない

他の方の練習などを見てて、絵の上達の為には暗記が必要、クロッキーで回数こなして色んな角度の形を暗記する

学ぶためには模写が一番、美術解剖学の本は読み物ではなく模写の教材

のように暗記と模写を重視する人が多く見受けられるんですが、立体把握能力が高い人はそう考えません
むしろなんでこんな効率悪いやり方してるんだろう内心思ってます

だって、一方向の形を複数暗記するよりも、それがどういう立体かを理解した方が、数倍早くて楽なんだもの

これが空間認識能力の高い人と低いあるいは能力を磨かない、活用できていないい人との一番の差だと思います

空間認識能力が高い人は、一方向でみえる平面的な形ではなく、一方向では見えない部分や、他の角度での見え方、全てひっくるめた”立体そのものの理解”が一番大事だと理解しています

それが出来れば、能力が凄く高くて頭の中で精巧な3Dを作れる人は、頭の中の3Dをグリグリ回してどの角度でも描けるという事

そこまで精巧で360度回せるような物が出来なくても、角度をこう変えたら、こう見えるかなとある程度想像が付きます

だからまず立体を理解しようとします

立体把握能力が高い人は”観察”で学びを得やすい

どういう立体かを理解しようとすると、絵よりも実物を見たほうがやりやすい

見るだけじゃなく手で触ったり五感を使ったり、時には見た目だけでなく、そのものの仕組みなどを学んだ方が理解しやすい時もあります

模写もデッサンもやることは”観察”ですが、観察自体はペンを持って写さなくても出来ます

物を意識してみて学びを得る観察は、写したり見た物を描く観察よりは学びの効率は減りますが

観察は時と場所を選ばず、何に対しても出来るので、TVを見たり、歩いたり、そんな些細な瞬間でも意識的に物を見て観察して学びを得る事ができる

しかもこの観察、やってる側としては苦にならないし、当たり前の習慣になりやすい

ペンを動かさないと絵の練習じゃない、学びを得られない人と比べると観察で得た学びの量に圧倒的な差が付きます

しかも本人は特別な事や練習をしてると思ってないので、描かないと練習にならない人は練習してないのに上達するなんてズルい、これが才能の差かと思うわけですよ

立体を理解できると影を考えるのが楽になる

自分の経験の話でちらっと触れましたが、頭の中で線画を3Dにしたら影の付け方が楽になったんですが

言い換えると、立体を理解できたら、陰影の付け方がある程度想像つきやすくなる

影ではなく”陰影”って言葉を私はよく使うのですが、”陰”も”影”も同じカゲって読むけど実は違うんです

影は”何かに遮られて本来届くはずの光が届かずに暗くなった部分”

陰は光源からの光が当たりにくいゆえに暗くなっている部分のこと

陰に関しては光の回り込みなんて言葉を使ったりするんですが、立体を理解出来てないとこの”光の回り込み”が想像出来ないんですよ

言葉で説明すると分かりづらいですが、光源に一番近い角度の一番飛び出たり、膨らんでる部分が一番明るいハイライト、各面の光源からの角度を考慮して光の回り込みを考えるのですが

これを理解しやすくなるのは”面を捉える”という捉え方です

物を見る時、線の集合体として捉えるか、面の集合体として捉えるかの違い

立体をそれぞれ線で捉えると9つの線の集合体。面で捉えると見えてる部分は3つの面の集合体になる(本来は6個の面の集合体)

両方の捉え方が出来て使い分けるのが一番なのですが、絵描きでも”面を捉える”事ができない人は意外といるようで、それでどうなるかというと「絵の上達に10年単位で遅れが出る」んだそうです、想像以上に恐ろしい…

この”面で捉える”のも空間や立体の認識能力が高い人の方が理解しやすいです

あとこれは観察力の鍛え方にも影響します

といいますか、線を捉えるモードって、本来存在しない輪郭線を捉えるために、立体感や奥行き、質感などの情報を極限まで排除したモードになるので、漫画絵などを描き写そうとするには有効なのだけど、情報が少ないっていうことは観察で得られる情報が少ない目が鍛えられてない、観察力の低い人の方が有利な気がします

観察力の低い人が模写でだた絵を書き写しまくってると、目が鍛えられず観察力が上がりくく、結局学びを得られず、描き写す事しかできなくなるなんて事が起きがちなんですよね

”面で捉えられる”人は目が鍛えられていて、観察で多くの情報を得られる人で、前の方で話をした”意識して物を見る観察で学びを得やすい人”です

で、陰影の話に戻すと、面の切り替わりは角度の切り替わり、陰の濃さの切り替わりなんですよ(曲面は複数の面の集合体と考えてください)

上手く言葉で説明出来る自信がないので”稜線”という美術用語で調べると分かりやすいと思います

要するに角度の切り替わりが分かれば、より光源の角度から当たりにくい角度のものはより暗く、当たりやすい角度は明るくなるので、ある程度陰の付け方を計算、想像出来るということです

ここまでの内容をまとめると、空間認識や立体認識の能力はあれば絵が上手くなる魔法の力じゃなくて、これが高いと立体そのものを理解しやすくなる、立体を理解できたらたくさんの事がわかり絵の描きやすくなるという事です

空間認識能力は鍛えられるし、能力が低いなりに立体を理解しようとすることは出来る

立体を理解してしまえば、修行のような練習をしなくても、色んなことが分かりやすくなるという事

そもそも空間や立体を認識する能力が高くなくても、鍛えることは可能だし、たとえん効力が低くても立体を理解しようとすることは出来るんです

私はあの人達と違うからと、暗記や模写を頑張りまくるっていう考えの方が効率悪いです

空間認識能力を鍛えたいなら、自分で立体を作ってみよう

羊毛フェルトでも粘土でもいいから、手を動かして立体を作ってみる。絵描きを目指しても、美術を学べば、立体を作る練習は普通に出てくるようです

羊毛フェルトでクリーチャーが出来てしまう人はちょっと厳しいかも知れないけど、これに関しても羊毛が足りないとかの理由もあるし、最初は下手でもちゃんと立体を理解しようとすれば上手くなります

思えば私の初期の羊毛フェルトも大概でした

羊毛フェルトを始めた頃のもの、トータルで10個位作って辞めました、喘息持ちなので鼻が辛かった
その後別の立体造形をやってから羊毛フェルトを再開して2回目に作ったコダック
ダイソーのキットが鬼難易度すぎて失敗したので幻想水滸伝2の主人公コスに変えた羊毛フェルトの猫とその後100均ブロックで作った同じ主人公君

羊毛フェルト自体の技術は身についていないものの、他の立体造形をやってた経験でかなり出来は変わりました
ブロックトイは下から積み上げて形を作るので違う空間認識能力が必要になる気がします

その間やってた立体造形はあんまり完成したのがなくて載せられそうなのがないのだけど(汗)

手元に残るフィギュアやマスコットを作りいたいなら、羊毛フェルトから始めるのがオススメです
手元に作ったものを残したくないなら油粘土を使うと良いと思います

視覚に頼らず、ペタペタ触ったほうが立体を理解しやすい

これは本当にそう、私は顔の凹凸なんかは自分の顔を触って覚えました

見ただけで立体なんて理解できないよー!って思うなら、さわれるものはなるべく触ってみる、騙されたと思ってやってみたら、そういうことかって色々分かりやすくてびっくりします
あとコレ、ちゃんとデッサンなどの話で言われてる話だったりします

色んな角度から物を見てみる

30秒ドローイングで有名なポーズマニアックスとか、短時間クロッキーの数をこなすより、360度動かせる機能を利用して、グリグリ回して見て色んなことに気づくほうが勉強になります

回してみると思ったより手足が前や後ろに出してたり、身体がそっていたり、腰が後ろに来出してたりしてて驚くこと多いと思います

で、筋肉の付き方や流れを意識して見て、これどうなってるのって興味を持ったら美術解剖学を学んで、可動域や筋肉や骨の動き方、連動の仕方などを構造から学んでみた方が上達しやすいと思います

申し訳ないけど、美術解剖学の本は読んで学ぶものではなく模写するものっいうのはあまりいい練習の仕方には見えないです
暗記重視、写さないと学べないのかなぁって思っちゃいます

あと短時間ドローイングで数をこなしまくっってたらなんとな身体についてわかるっていうのも、効率悪すぎるように思います

スポーツ等の大きな動きは、動かしたい部分以外も大きく動かして、反動やひねりの回転、重力などの複数の力を利用する事が多く、大きな動きの絵を描こうとすれば、動いてる途中の一瞬を切り取る事になるわけで、直前直後の動きを想像し、流れを想像し、その時かかっている力を踏まえて絵を描かないと動きって表現しづらいと思うんです

例えばジャンプなら上昇してる間は身体を持ち上げる上へと向かう力と重力の下への力、2つの力がかかっていて、上に向かう力の方が大きい状態
で、最高到達点に達すると、2つの力が丁度同じになり、下への力の方が大きくなると下降がはじまります

そして下への力が最も大きくなる着地の衝撃、この複数の力に髪の毛や服などの軽く薄い物が一番影響を受けやすいけど、身体の筋肉などが一切い影響を受けないと思います?

描かれたもの、これから描くものになるたくさんの要素を考慮できない”暗記”重視の考え方は絵描きにとってかなり大きな落とし穴じゃないかなと思います

空間認識能力が低い自分は才能が無い、と嘆く前にまずは「絵の練習には暗記が必要だ」という考え方を捨てたほうが良いと思います

お絵かき初心者のわたしが言うのもなんですけど、ひたすら模写して暗記するより、これが立体的に見えるのは何でだろう?とか考えてものを見まくったほうが早いと思います


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