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燃えろ

昔、今よりギラついていた時の私の話。

あれは確か劇場の客席だった。

※なんとなく特定しちゃうかもしれないけど、目を瞑っていてネッ♡お姉さんとの約束🗝💕※

私はその時、客席で舞台を見ていた。
自分も出演する舞台で、違う班のゲネプロを見ていた気がする。

どんな内容だったかもう思い出せないが、その時私は酷く感情が昂っていた。
最初は、自分と同じ役の方からなにか盗めないかとノートを取り出したのが、気付けば自分の感情をボールペンでただ書き殴っていた。

もうどこに閉まったか忘れちゃったノート。
何書いてたかもほとんど覚えてない。

でも書き殴っていたあの景色だけは鮮明に覚えている。

涙で視界はぼやけながら、でも必死にノートに書かなきゃ、この気持ちを忘れないように、ここに、書かなきゃ、

もしかしたら、周りの人は私のその異常さに気付いていたかもしれない。

当の本人は、そこまで気は回っていない。

あくまでゲネプロ中、流石に邪魔にならないようには心がけていた。

私はその時、ひどく絶望していたのだ。

クオリティに。

一言で言えば、クオリティに。

もちろん、経験の差はあった。
初舞台の人もいたし、ベテランの人もいた。

しかし、こうもつまらないのかと。
自分が思い描いている舞台の完成形とはかけ離れていた。

私はここと同じ土俵に立っているのか。

許せない、そんな自分が。

くそ、悔しい、

行き場を無くした負の感情を消化するために、必死にゴリゴリ書いてた。

自分だってまだまだ経験も浅いし、一丁前にそんなこと言える立場では無いのは分かっていたけど、なんせギラついてたので、当時の私は分かってなかったかも。

「○○さんの舞台に立ちたい」

「なら、頑張れ、諦めるな」

そんなことも書いた気がする。

東京に出てくるキッカケにもなった、脚本演出家の方がいる。

その方の舞台に立てるなら、どんなことも耐えれると、当時思っていた。

年月も経ち、今では他にも出たい作品や団体が増えてきて、その方に執着することは減ってきた。

でもあの頃のギラつきも、忘れないように。
周りのヤツら全員なぎ倒してやるくらいのギラつきも、忘れちゃダメだなあって。

ふと、最近落ちたオーディションのことを考えながら思ったのでした。

毎日泣きながら、必死に食らいついてたあの時も。遠い存在にしない、今からでもそうなれるくらい燃えろ。

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