2019年9月の記事一覧
【小説】いつか花は咲くだろう
牧には春になると決まって知らない風景の写真が届く。十年もの間、それを送り続けていたのは高校時代の同級生の五十嵐だった。再会した二人は、心地よい距離を保ちながらゆっくり歩み寄っていく。
地元で高校教師を続けていた牧の家に、亡くなった父の教員時代の知人が訪ねてきた。父の昔話を聞くなか、塾講師に興味はないかともちかけられ、興味を抱く牧。しかしすぐに結論を出すには至らず、牧は揺らぐ胸の内を五十嵐に打ち明
牧には春になると決まって知らない風景の写真が届く。十年もの間、それを送り続けていたのは高校時代の同級生の五十嵐だった。再会した二人は、心地よい距離を保ちながらゆっくり歩み寄っていく。
地元で高校教師を続けていた牧の家に、亡くなった父の教員時代の知人が訪ねてきた。父の昔話を聞くなか、塾講師に興味はないかともちかけられ、興味を抱く牧。しかしすぐに結論を出すには至らず、牧は揺らぐ胸の内を五十嵐に打ち明