子供たちは大喜び:映画評「町田くんの世界」
元々の原作マンガは子供たちが見つけてきて読んでたんですよね。
で、「最近の少女漫画はどんなもんなんかいな」と読んでみたら、これが面白かった、とw。
そのマンガの実写映画化です。
町田くんの世界
僕自身は正直、「どうかな〜」って感じでした。
前半は凄く面白かったんですが、終盤の「ファンタジー」展開が…。
本作には佐藤浩市が演じるオリジナルキャラの編集長が登場します。
彼は多分「善人」ではあるんだけど、この世界の「善意」はもう信じれなくなってるんですよね。
で、その中で社会が求めるものと自分の存在意義を考えて、「エンタメ」(それはゲスなスクープだったりするんですが)を提供していくことを決意しているというキャラ。
「町田くん」はその対極にいるキャラで、町田くんと出会った佐藤浩市の部下の編集員(池松壮亮)は、一度は「この世界はクソだ」と思ったんだけど、もう一度「善意」を信じてみようと思う。
…というストーリーが映画オリジナルの展開としてあります。
これは分かるんですけどね。
だけどそれを「聖痕物語」にして、「ファンタジー(奇蹟)」として表現するのはどうかと。
結局、そういう作り方をしている製作者は、佐藤浩市と同様、本心では「この世界はクソだ」と思ってるんじゃないか、と。
…なんですが、子供たちに聞いたら、
「いやぁ、面白かった!」
って大満足風なんですよ。
終盤のファンタジー展開も、結構笑いながら「OK、OK」って感じ。
なんか変に批判的になって観るのもどうかな、と思いました。
終盤の展開も含めて、楽しいっちゃあ楽しいですしね。
前田敦子、サイコーだしw。
マンガも映画も、これが「作り事」だってことは大前提。
世界観や物語を作っていく中で、なんらかの「希望」のようなものを読む者/観る者に与えることが、作品のテーマ(と言うか心意気)なのかも。
「大変だけどさ。でも悪くはないかもよ、この世界」
なんで、マンガも映画もオススメです。
どっちかなら、マンガの方をオススメしますがw。